エンジニアの給料が上がらない理由とは?5年目・10年目の適正年収と年収を上げる方法

目次

この記事で分かること

エンジニアの給料が上がらないのは、多くの場合「あなたのスキル不足」ではなく、SESの多重下請けや不透明な評価制度といった会社側の構造的な要因が大きく影響しています。同じスキルでも企業によって年収は大きく変わるため、まずは自分の市場価値(適正年収)を知ることが、状況を変える最初の一歩です。

この記事では、次のことが分かります。

  • 経験年数別の「適正年収」と現実とのギャップ(最新データ)
  • エンジニアの給料が上がらない4つの構造的な原因
  • 昇給交渉が通りにくい理由と、より確実な選択肢
  • 転職で年収を上げるための具体的な手順
  • 会社と揉めたとき・話したくないときの退職代行の選び方

結論:給料は「実力」より「会社の構造」で決まりやすい

「スキルは確実に向上している」「責任も後輩指導も増えている」。それなのに給料が入社時からほとんど変わらない——こうした悩みは、決してあなただけのものではありません。

重要なのは、エンジニアの給料が上がりにくい背景には、本人の努力では動かしにくい構造的な要因があるという点です。たとえば、同じ「Java経験3年」でも、企業によって提示年収が1.5〜2倍違うことは珍しくありません。これはスキルの差ではなく、会社の給与体系・収益構造の差です。

本記事では、なぜエンジニアの給料が上がりにくいのかを構造から解説したうえで、適正な報酬を得るための現実的な方法を整理します。まずは「自分の年収は適正なのか」を客観的に把握するところから始めましょう。職種別の相場はエンジニア職種別の年収相場まとめでも詳しく解説しています。

エンジニアの年収の現実と「適正年収」のギャップ

経験年数別の年収の目安(2025年版)

公的統計では、システムエンジニア(SE)の平均年収はおおむね560〜575万円前後とされています(出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和6年)」、doda・レバテック等の各種年収調査)。年代別では30代前半で約640万円、30代後半で約730万円という調査結果もあります。

これを踏まえ、経験年数別のおおまかな目安を整理すると、次のようになります。あくまで企業・職種・地域によって幅がある点にご注意ください。

経験年数 市場の目安レンジ 相場を下回りやすいケース
1〜3年目 350〜500万円 250〜350万円
5年目 500〜650万円 300〜400万円
10年目 650〜900万円 400〜500万円

ここで示したレンジは、各種年収調査や求人票の提示額をもとにした「目安」です。最新の正確な数字は、賃金構造基本統計調査などの一次情報や、転職サイトの年収診断でご確認ください。

スキルと年収が乖離してしまう例

たとえば、Java・Spring・AWS・Docker・Reactを扱え、Java GoldやAWS認定資格を持ち、基幹システムの設計やチームリーダーを経験している5年目エンジニアでも、現在の年収が320万円台にとどまっているケースがあります。一方で、同等のスキルが市場では600〜700万円で評価されることも珍しくありません。

この差は本人の能力ではなく、所属企業がそのスキルをいくらで評価しているかの差です。AWS経験者がどの程度の年収を狙えるかはAWS経験者の年収アップ戦略、React/Vue.js経験者はReact/Vue.js経験者の年収アップ戦略も参考になります。

なぜエンジニアの給料が上がらないのか|4つの構造的原因

原因1:SES・多重下請け構造による中間マージン

SES(システムエンジニアリングサービス)業界では、エンドクライアントから複数の会社を経由してエンジニアが派遣される「多重下請け構造」が問題視されてきました。一般に、SES企業のマージン率は30〜40%程度とされ、3次請けまで経由するとマージン合計が50〜65%に達するケースもあると報告されています(出典:各種業界調査・厚生労働省 労働経済動向調査等)。

この構造では「エンジニアの給料を上げる=会社の利益が減る」関係になりやすく、結果として還元率が上がりにくくなります。SESの実態と優良企業の見分け方はSESはやめとけ?SESの闇と優良企業の見分け方、抜け出し方はSESがきついから辞めたい人向けの転職方法で詳しく解説しています。

昇給を渋るときに使われがちな「経営が厳しい」「評価がまだ足りない」「来年こそは」といった説明は、必ずしも事実とは限りません。会社の収益構造と自分の還元率を冷静に切り分けて考えることが大切です。

原因2:「35歳定年説」を口実にした据え置き

かつて語られた「エンジニア35歳定年説」は、現在では実態としてほぼ過去のものとされています。35歳を過ぎても第一線で活躍するエンジニアは多く、業界全体の年齢構成も上昇しているためです。

ただし問題なのは、この古い説を「口実」として昇給を止めようとするケースが一部に残っていることです。「若いから」「管理職じゃないから」「もう伸びしろがない」など、年代ごとに昇給しない理由が作られてしまう構図には注意が必要です。年齢とキャリアの関係はエンジニア転職「年齢限界」の嘘と真実でも検証しています。

原因3:不透明な評価制度

「総合的に判断」「協調性」「会社への貢献度」など、数値化しにくい曖昧な基準のみで評価が決まる場合、昇給額が成果と連動しにくくなります。高評価でも昇給が年数千円程度にとどまり、評価制度が「昇給しないための形式」になっているケースもあります。

原因4:転職への不安をあおる言葉

「うちを辞めても通用しない」「転職しても給料は下がる」「石の上にも三年」といった言葉は、客観的な根拠というより、人材をつなぎとめるための主観的な言い回しであることが少なくありません。実際のデータは、後述するように多くのエンジニアが転職で年収を上げている事実を示しています。

昇給交渉が通りにくい理由と、より確実な選択肢

昇給交渉そのものは正当な権利ですが、社内の予算や評価制度の制約上、希望どおりに通らないことも多いのが実情です。よくある対応として、時期をずらす(来期・決算後)、責任を本人に転嫁する(成果が不十分)、感情に訴える(やりがい・仲間)といったパターンが挙げられます。

交渉が必ず失敗するわけではありませんが、「会社の給与テーブル自体が低い」場合、社内交渉だけで相場まで引き上げるのは難しいことが多いです。その場合、より現実的に年収を上げる手段が「転職」になります。

そこで、交渉に時間を使う前に、まず外の相場(自分の市場価値)を把握することをおすすめします。今の年収が適正かどうかを知るだけでも、交渉すべきか転職すべきかの判断材料になります。

// まずは現状把握から

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転職するかどうかを決める前でも、今のスキルで狙える求人や年収相場を知ることで、昇給交渉・転職どちらに進むべきかの判断材料が増えます。社内SE・自社開発への転職に強いエージェントなら、客先常駐からの脱出も相談できます。

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実例:給料が上がらない状況から年収を上げたケース

以下は、よくあるパターンをもとに構成した事例です。金額・状況には個人差があり、すべての人に同じ結果を保証するものではありません。

事例1:7年目で手取り22万円から年収650万円へ(29歳・男性)

入社時から7年かけて月給が5万円しか上がらず、手取りは22万円程度。Java・Python・Go、AWS・GCP、Docker・Kubernetesを扱い、チームリーダーも経験していました。市場価値診断では年収600〜700万円との結果。8社に応募して4社から内定を得て、最終的に年収650万円の企業へ転職し、手取りはほぼ2倍になりました。

事例2:10年目で年収400万円から外資系へ(32歳・女性)

新卒時の年収280万円から10年で400万円までしか上がらず、同年代の転職者との差に気づいて転職を決意。外資系IT企業のシニアエンジニアとして年収750万円を実現しました。女性エンジニアの市場価値や働き方は女性エンジニアの転職市場価値と成功事例でも紹介しています。

事例3:昇給1万円をきっかけに退職・転職(27歳・男性)

高評価にもかかわらず昇給が月1万円にとどまり、退職を決意。引き止めや強い言葉に消耗したため退職代行を利用し、有給を消化しながら転職活動に専念。3か月後にWeb系企業へ転職し、年収は380万円から580万円になりました。退職代行の使うべきタイミングはエンジニアの退職代行は使うべき?メリット・デメリットで詳しく解説しています。

自分の適正年収(市場価値)を知る方法

転職するかどうかに関わらず、自分の市場価値を把握しておくことには大きな意味があります。多くの場合、現職での年収より高い結果が出るためです。具体的な確認方法は次のとおりです。

1. 転職サイトの年収診断を使う

簡単な質問で概算の年収レンジを把握できます。複数サイトで比較すると精度が上がります。

2. 自分に近いスキルの求人票を確認する

保有スキルに近い求人の提示年収レンジを見て、相場感をつかみます。

3. 転職エージェントに査定してもらう

プロによる査定で、業界動向を踏まえた現実的な年収が分かります。

4. 口コミサイトで同年代の年収を調べる

OpenWorkや転職会議などで、同年代・同スキルの年収傾向を確認します。

より詳しい診断手順は30代エンジニアの市場価値診断|年収査定と転職戦略、エージェント選びはエンジニアにおすすめの転職エージェントの正しい選び方をあわせてご覧ください。

転職で年収を上げる具体的な戦略

厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する調査(2023年度)」では、IT職で転職した人の半数以上が賃金アップを経験し、約37%が2割以上の昇給を実現したと報告されています。各社の調査でも「直近で転職したIT人材の約6割が年収アップ」といった結果が出ています(出典:厚生労働省、レバテック、転職ドラフト等の各調査)。

つまり、転職による年収アップは「運」ではなく再現性のある戦略です。年収を上げるための要点を整理します。

① 現職の実績を数値化する(コスト削減額・障害削減数など)/② 複数の診断とエージェントで市場価値を正確に把握する/③ GitHubや技術ブログでスキルを可視化する/④ 複数内定を取って交渉材料にする/⑤ 賞与後や需要期(1〜3月・7〜9月)など時期を最適化する。この5つを押さえると、年収を上げる確率が高まります。

年収交渉では「年収が低いので上げてください」ではなく、「市場価値は600〜700万円と認識しており、御社への貢献を考慮し650万円を希望します」のように相場と貢献を根拠にするのが効果的です。交渉の言い回しはオファー額を上げる年収交渉の言い回し大全、内定を複数取るコツは内定を複数獲得する人の特徴が参考になります。

ブラック企業を避けたい方はブラック企業を回避する求人票・面接の見抜き方、年収ダウンを避けたい方は年収ダウンを避ける企業選びもあわせてご確認ください。

働き方・スキル別に強いサービスを選ぶ

「正社員で年収を上げたい」「フリーランスで単価を上げたい」「専門領域に特化したい」など、目的によって相性の良いサービスは変わります。代表的な選択肢を整理します。

サービス 特徴 向いている人 確認ポイント
キッカケエージェント ITエンジニア特化型の転職支援 はじめてエンジニア転職する人 担当との相性を面談で確認
SAPフリーランスバンク SAP領域に特化した高単価案件 SAP経験を活かして独立したい人 商流・契約条件を要確認
IT求人ナビ フリーランス AIマッチングで案件を提案 フリーランスで案件を効率よく探したい人 単価とマージンを確認

各サービスの詳細な評判は、社内SE転職ナビの評判(定着率96.5%の理由)キッカケエージェントの評判・口コミSAPフリーランスバンクで年収2倍を目指す方法IT求人ナビが選ばれる理由でそれぞれ詳しく解説しています。フリーランスのマージンを重視するならEBAフリーランスの評判(業界最安水準マージン)もチェックしてみてください。

// 客先常駐から抜け出したい方へ

「今の給与テーブルでは上がらない」と感じたら、外の求人を見てみましょう

客先常駐・SESから社内SEや自社開発へ移ることで、年収だけでなく働き方が改善するケースも多くあります。まずは無料で求人と年収相場を確認してみてください。

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給料が上がらない会社の見分け方

転職先で同じ失敗を繰り返さないために、入社前に確認できる危険信号を知っておきましょう。

  • 年収例の幅が広すぎる(例:300〜700万円)
  • 「昇給あり」とあるが具体的な実績例がない
  • みなし残業時間が極端に長い
  • 賞与が「業績連動」のみ(支給ゼロの可能性)
  • 平均年齢に対して平均年収が低い
  • 離職率・平均勤続年数が非公開

複数該当する場合は、昇給を期待しにくい可能性があります。在職中であれば、先輩の年収推移・評価制度の詳細・10年後の年収モデルを確認しておくと判断しやすくなります。求人の見極め方は良い求人と悪い求人の見分け方、ホワイト企業の探し方はホワイトIT企業の見分け方で詳しく解説しています。

会社と揉めたとき・話したくないときの退職代行の選び方

給料の問題で退職を申し出ると、強い引き止めにあったり、感情的な言葉を受けたりすることがあります。精神的に消耗する前に、退職代行という選択肢を知っておくと安心です。ただし、サービスの「運営形態」によってできることが異なる点を必ず理解しておきましょう。

退職代行には、できる範囲に法律上の違いがあります。民間業者は退職の意思を「伝達」することはできますが、退職日や有給消化などの「交渉」を行うと、弁護士法72条に抵触する(非弁行為となる)おそれがあります。労働組合型は団体交渉権(憲法28条)にもとづき退職日・有給消化などの交渉が可能です。弁護士型は未払い賃金請求・損害賠償対応など法的な対応まで任せられます。「弁護士監修」という表記は、必ずしも「弁護士が交渉してくれる」という意味ではない点に注意してください。

運営形態ごとの違いは退職代行は違法じゃない?弁護士・労働組合・民間の違いと選び方で詳しく解説しています。あわせて、利用が転職に影響するか不安な方は退職代行は転職でバレる?選考への影響もご確認ください。

状況別・あなたに合う退職代行のタイプ

あなたの状況 向いているタイプ 主な理由
会社と直接話したくない/上司が怖い・引き止めがつらい 労働組合型(+弁護士監修)「辞スル」 退職日・有給消化などの交渉に対応でき、LINEで相談しやすい
手元のお金が不安/費用を後払いにしたい 労働組合型「即ヤメ」 後払いに対応し、今すぐ相談したい人に向く
未払い残業代・損害賠償・パワハラなど法的トラブルがある 弁護士型「弁護士法人ガイアの退職代行」 法的請求や交渉まで弁護士が対応できる

「損害賠償を請求するぞ」と脅されたケースの対応は損害賠償を請求すると脅されたときの正しい対応、会社が退職を認めない場合は退職を認めない会社の辞め方(民法627条)で解説しています。退職代行の全体の流れを知りたい方は退職代行の流れと使い方ガイドをご覧ください。

// 会社と直接話すのがつらい方へ

まずは無料相談で、今の状況を整理してみませんか?

退職日や有給消化の交渉に対応できる労働組合型なら、会社と直接やり取りせずに退職を進めやすくなります。LINEで気軽に相談できるので、迷っている段階でも状況を整理する目的で使えます。

退職代行「辞スル」に無料相談する
※後払いを希望する方は「即ヤメ」、法的トラブルがある方は弁護士型「ガイア」も選択肢になります。

よくある質問(FAQ)

本当に転職で給料は上がりますか?

必ず上がるとは言えませんが、データ上は多くのIT人材が転職で年収を上げています。厚生労働省の調査ではIT職転職者の半数以上が賃金アップ、約37%が2割以上の昇給を実現したと報告されています。特に現年収が相場より低い場合、上がる余地が大きい傾向があります。まずは市場価値診断で自分のレンジを確認するのがおすすめです。

給料が低いのは、結局スキル不足だからではないですか?

必ずしもそうとは限りません。同じスキル・経験でも、企業の給与体系や収益構造によって提示年収は1.5〜2倍変わることがあります。スキルアップは大切ですが、まず「会社の給与テーブル自体が低くないか」を相場と照らして確認することが重要です。

転職回数が多いと不利になりませんか?

転職理由が明確で一貫していれば、過度に不利になることは少ないです。「スキルアップ」「正当な評価を求めて」といった理由は前向きに受け取られやすいです。面接での伝え方は退職理由のフレーム解説記事も参考にしてください。

退職代行を使うと違法になりますか?

適切な運営形態を選べば違法にはなりません。労働組合型は団体交渉権にもとづいて退職日・有給の交渉が可能、弁護士型は法的対応まで可能です。一方、民間業者が交渉まで踏み込むと弁護士法に抵触するおそれがあります。自分の状況(交渉が必要か、法的トラブルがあるか)に合わせてタイプを選びましょう。

退職代行を使ったことは転職先にバレますか?

基本的に、退職代行の利用が転職先に伝わる仕組みはありません。選考で不利になることも通常ありません。詳しくは退職代行が転職に与える影響の記事で解説しています。

まとめ:あなたの市場価値を知ることから始めよう

エンジニアの給料が上がらない背景には、SESの多重下請け構造、不透明な評価制度、古い慣習といった会社側の構造的な要因が大きく影響しています。これは本人の努力だけでは変えにくい部分です。

次のいずれかに当てはまる場合は、一度立ち止まって市場価値を確認してみましょう。
・3年以上昇給がない(または年1万円以下)
・5年目で年収400万円以下/10年目で年収600万円以下
・後輩と給料がほぼ同じ
・昇給交渉を拒否された
まずは「無料の市場価値診断・エージェント相談」で現状を把握し、必要なら転職、会社と揉めそうなら適切な退職代行を選ぶ——この順番で動けば、消耗を最小限にして状況を変えやすくなります。

転職するかどうかを今すぐ決める必要はありません。大切なのは、今の年収が「相場と比べてどうなのか」という事実を知ることです。それが、昇給交渉・転職・現状維持のどれを選ぶにしても、後悔しない判断につながります。

関連記事として、エンジニア職種別の年収相場転職エージェントの正しい選び方「会社辞めたい」その前に読むキャリア判断基準もあわせてご覧ください。

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この記事を書いた人



この記事を書いた人



九条 悠人
「エンジニアのやめ方|退職と転職のトリセツ」運営者。



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