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「GitHubアカウントは作ったけど、何を上げればいいの?」
プログラミングを学び始めて、「GitHubは大事」と聞いてアカウントは作った。でも、画面を開いても真っ白。他の人のプロフィールを見ると、緑の芝生(コントリビューション)がびっしり。自分は一体何を上げればいいんだろう…。
このような悩みを抱えている未経験者の方は、あなただけではありません。実は、多くの初心者が同じ壁にぶつかっています。
「すごいものを作らないとダメ」「完璧なコードじゃないと恥ずかしい」そんな思い込みが、最初の一歩を踏み出せない原因になっているのです。
しかし、GitHubは完成品を展示する場所ではなく、成長の過程を記録する場所です。未経験者だからこそ上げるべきコンテンツがあり、それが転職・就職活動で大きな武器になります。
この記事では、未経験者がGitHubに上げるべきコンテンツを優先順位付きで解説し、今日から実践できる具体的な方法まで、すべてお伝えします。
未経験者がGitHubに上げるべきコンテンツ【優先順位付き】
まず、未経験者がGitHubに上げるべきコンテンツを、重要度順に整理しましょう。
優先度1:学習の記録(最重要)
採用担当者が未経験者のGitHubで最も評価するのは、「継続的に学習している証拠」です。
完璧な作品より、毎日コミットしている姿勢の方が価値があります。なぜなら、IT業界では技術の変化が速く、継続的な学習能力こそが最も重要な資質だからです。
経済産業省の調査でも、IT人材に求められる能力として「自己学習能力」が最上位に挙げられています。
学習記録として上げるべきもの:
- チュートリアルのコード(出典を明記)
- 練習問題の解答
- 技術書の写経コード
- オンライン講座の課題
- 毎日の学習ログ(TIL: Today I Learned)
優先度2:小さな完成品
次に重要なのは、どんなに小さくても「完成させた」作品です。
- 簡単な計算機アプリ
- ToDoリスト
- タイマーアプリ
- 単語帳アプリ
- 天気予報表示ツール
レベルは低くても構いません。「最後まで作り切る力」があることを示すことが重要です。
優先度3:コードの改善履歴
同じプロジェクトを継続的に改善している履歴は、高く評価されます。
改善の例:
- バグ修正
- 機能追加
- リファクタリング(コードの整理)
- パフォーマンス改善
- デザイン改良
Version 1.0が稚拙でも、Version 2.0、3.0と改善していく過程が見えることで、成長能力をアピールできます。
優先度4:ドキュメント類
コードだけでなく、説明文書も重要なコンテンツです。
README.mdの充実度は、コミュニケーション能力の指標になります。
- プロジェクトの説明
- 使い方の解説
- 学習メモ
- 技術的な調査結果
- エラー解決の記録
これらを丁寧に書くことで、「説明能力がある」「チーム開発に向いている」という評価につながります。
優先度5:他者への貢献
未経験者でも、OSSへの貢献は可能です。
簡単な貢献方法:
- ドキュメントの誤字脱字修正
- 翻訳への協力
- issueへのコメント
- 簡単なバグ報告
小さな貢献でも、「コミュニティに参加できる人材」として評価されます。
採用担当者がGitHubで本当に見ているポイント
多くの未経験者が勘違いしていますが、採用担当者は「すごいコード」を求めているわけではありません。
ポイント1:継続性(最重要)
GitHubのコントリビューショングラフ(通称:草、芝生)が緑で埋まっていることは、継続的な学習習慣の証明です。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の調査でも、企業が新人エンジニアに最も求める資質は「継続的な学習能力」です。
1日1コミットでも、365日続けることの価値は計り知れません。
ポイント2:成長の軌跡
採用担当者は、現在のスキルレベルより「どれだけ成長したか」を見ています。
評価される成長の証拠:
- 初期の簡単なコードから徐々に複雑になっている
- 新しい技術に挑戦している
- エラーの解決方法が洗練されてきている
- コメントやドキュメントが改善されている
ポイント3:コミュニケーション能力
GitHubは技術力だけでなく、コミュニケーション能力も見られています。
- コミットメッセージが分かりやすい
- README.mdが充実している
- issueやPull Requestの書き方が丁寧
- 他者のコードへのコメントが建設的
ポイント4:問題解決への取り組み
バグや課題にどう向き合っているかも重要な評価ポイントです。
「このバグは解決できませんでした」ではなく、「こういう方法を試したが、ここで詰まっている。次はこれを試す予定」という記録があると、問題解決能力が評価されます。
ポイント5:学習への姿勢
新しい技術への挑戦や、フィードバックへの対応も見られています。
「初めてReactを使ってみた」「レビューで指摘された点を修正した」といった記録は、素直さと向上心の証明になります。
レベル別GitHubコンテンツ戦略
あなたの現在のレベルに応じて、優先すべきコンテンツを整理します。
完全初心者(学習開始〜1ヶ月)
- Hello Worldプログラム(各言語)
- FizzBuzz問題の解答
- 簡単な計算プログラム
- 学習ノート(Markdown形式)
- 環境構築の手順書
目標:毎日1つは何かをコミットする習慣をつける
初級者(学習1〜3ヶ月)
この段階で上げるべきコンテンツ:
- 簡単なWebページ(HTML/CSS)
- JavaScriptの練習問題集
- アルゴリズムの基礎問題
- チュートリアルの成果物
- 技術ブログの下書き
目標:週に1つは小さな作品を完成させる
中級者(学習3〜6ヶ月)
- CRUD機能を持つWebアプリ
- APIを使った簡単なツール
- 既存プロジェクトの改良版
- テストコードの練習
- デザインパターンの実装例
目標:1つのプロジェクトを継続的に改善する
準上級者(学習6ヶ月以上)
この段階では質を重視:
- オリジナルのWebサービス
- OSSへのコントリビューション
- 技術記事のサンプルコード
- パフォーマンス最適化の記録
- CI/CDの設定ファイル
目標:採用担当者に「即戦力になりそう」と思わせる
今すぐ上げられる簡単なコンテンツ10選
「でも、何から始めればいいか分からない」という方のために、今日から上げられる簡単なコンテンツを紹介します。
1. 自己紹介README
GitHubのプロフィールページに表示される特別なREADMEです。
# Hi there 👋 I'm [Your Name]
## 🌱 Currently Learning
- HTML/CSS
- JavaScript
- Python
## 📚 Learning Resources
- [使っている教材]
- [参考にしているサイト]
## 🎯 2024 Goals
- [ ] Build my first web app
- [ ] Contribute to open source
- [ ] Get a job as a developer
これだけでも、プロフィールが充実して見えます。
2. 100DaysOfCodeチャレンジ
100日間、毎日コーディングして記録するチャレンジです。
## Day 1: 2024/01/15
**Today's Progress**: HTMLの基本タグを学習
**Thoughts**: formタグの使い方が難しかった
**Link to work**: [practice/day1.html]
シンプルですが、継続の証明になります。
3. コーディング問題の解答集
LeetCodeやAtCoderの問題を解いた記録:
- 問題文へのリンク
- 自分の解答コード
- 解き方の説明
- 時間計算量の分析(分かれば)
4. 学習ノート(TIL)
Today I Learned(今日学んだこと)を記録:
# 2024-01-15
## JavaScriptの配列メソッド
- `map()`: 配列の各要素に処理を適用
- `filter()`: 条件に合う要素だけ抽出
- `reduce()`: 配列を1つの値にまとめる
[サンプルコード]
5. エラー解決ログ
遭遇したエラーと解決方法の記録:
- エラーメッセージ
- 発生状況
- 試した解決方法
- 最終的な解決策
これは他の初心者にも役立つ貴重な情報です。
6. 環境構築手順書
自分が構築した開発環境の手順:
- OS情報
- インストールしたソフトウェア
- 設定ファイル
- トラブルシューティング
7. コードスニペット集
よく使うコードの断片を集めたリポジトリ:
// 配列の重複を削除
const unique = [...new Set(array)];
// オブジェクトのディープコピー
const deepCopy = JSON.parse(JSON.stringify(obj));
8. 模写コーディング
有名サイトのデザインを模写:
- 元サイトのスクリーンショット
- 自分の模写結果
- 使用した技術
- 工夫した点
9. 個人用テンプレート
よく使う構成のテンプレート:
- HTMLの基本構造
- CSSリセット
- JavaScriptの基本設定
- README.mdのテンプレート
10. 学習リソースまとめ
自分が使っている学習リソースのリンク集:
# My Learning Resources
## Websites
- [MDN Web Docs](https://developer.mozilla.org/)
- [freeCodeCamp](https://www.freecodecamp.org/)
## YouTube Channels
- [チャンネル名](URL)
## Books
- [本のタイトル](感想やメモ)
GitHubを充実させる具体的な手順
GitHubを効率的に充実させるための、段階的な手順を解説します。
Step 1: 初期設定(1日目)
- プロフィール情報を充実させる(アイコン、自己紹介)
- プロフィールREADMEを作成
- 最初のリポジトリ「learning-log」を作成
- Git/GitHubの基本操作を練習
Step 2: 習慣化(1週目)
毎日必ず何かをコミット:
- 学習メモ
- 練習コード
- README更新
- タイプミスの修正でもOK
目的は「毎日GitHubを使う習慣」を作ることです。
Step 3: プロジェクト開始(2週目)
小さなプロジェクトを1つ始める:
- リポジトリ作成
- README.mdで概要を書く
- 基本機能を実装
- 少しずつ機能追加
- バグ修正
- ドキュメント更新
完璧を目指さず、「動くもの」を優先
Step 4: 公開とフィードバック(3週目)
作ったものを公開:
- GitHub Pagesでホスティング
- SNSで共有
- コミュニティでフィードバックを求める
- issueで改善点を管理
Step 5: 継続的改善(1ヶ月目以降)
- 既存プロジェクトの改善
- 新しい技術への挑戦
- 他者のコードを読んで学ぶ
- OSSへの小さな貢献
避けるべきNGコンテンツと注意点
GitHubに上げる際に避けるべきことも知っておきましょう。
NG1: 秘密情報の公開
- APIキー、パスワード
- 個人情報(住所、電話番号)
- 会社の機密情報
- 他人の著作物(許可なし)
一度公開すると、削除しても履歴に残る可能性があります。
NG2: 完全なコピペコード
チュートリアルのコードをそのままコピペは避けましょう:
- 最低限、変数名を変える
- コメントを自分の言葉で追加
- 機能を1つ追加する
- 出典を明記する
NG3: 放置されたリポジトリ
「Coming Soon」「Under Construction」のまま1年以上放置は印象が悪いです。
対策:
- 完成しなくても「Archived」として凍結
- README.mdに「学習用」と明記
- 定期的に整理する
NG4: 意味のないコミット
コミット数を稼ぐための無意味な更新は逆効果:
悪い例:
- 空白の追加・削除の繰り返し
- 同じファイルの無意味な変更
- "test" "aaa" などの適当なコミットメッセージ
NG5: ネガティブなコメント
自虐的なコメントは避けましょう:
- 「ゴミコードですが…」
- 「センスないけど…」
- 「全然できてませんが…」
代わりに前向きな表現を使いましょう。
書籍のコードや有料教材の内容をそのまま公開するのは著作権違反です。必ず利用規約を確認し、出典を明記しましょう。
GitHubプロフィールを魅力的にする方法
コンテンツを上げるだけでなく、プロフィール全体の見せ方も重要です。
プロフィールREADMEの活用
GitHubユーザー名と同じ名前のリポジトリを作ると、プロフィールページに表示されます。
### Hi there 👋
🔭 Currently working on: [現在のプロジェクト]
🌱 Learning: [学習中の技術]
👯 Looking to collaborate on: [協力したい分野]
💬 Ask me about: [得意な分野]
📫 How to reach me: [連絡先]
⚡ Fun fact: [面白い事実]
### 🛠 Tech Stack



### 📊 GitHub Stats

リポジトリのピン留め
プロフィールページには6つまでリポジトリをピン留めできます。
ピン留めすべきリポジトリ:
- 最も完成度の高い作品
- 継続的に更新しているプロジェクト
- 技術の幅を示すもの
- スター数が多いもの
コントリビューショングラフの管理
緑の芝生を維持するコツ:
- 毎日少しでもコミット
- プライベートリポジトリも含める設定
- 週末も忘れずに活動
- 長期休暇前に予約コミット
言語別の統計表示
使用言語の割合が表示されるので、バランスを意識:
- 主要言語が目立つように
- 設定ファイルだけのリポジトリは避ける
- 言語の多様性も重要
GitHub活用を加速させるサービス
GitHubを効果的に活用するためのサービスを紹介します。
\ GitHubを使った実践的な開発を学ぶ /
テックアカデミー
テックアカデミーは、GitHubを活用した開発を実践的に学べるプログラミングスクールです。
カリキュラムの中で、実際にGitHubを使った開発フローを体験できます。コミットの仕方、ブランチ管理、Pull Requestなど、現場で必要なGitHub操作を現役エンジニアから直接学べます。
さらに、作成したプロジェクトはそのままGitHubのポートフォリオとして活用でき、転職活動でアピールできる実績になります。
\ Git/GitHubの基礎から学べる /
Udemy
Udemyには、Git/GitHubに特化した優良コースが多数あります。
「もう怖くないGit!」「GitHub完全入門」など、初心者でも分かりやすいコースが豊富。実際に手を動かしながら学べるため、すぐにGitHubで実践できます。
価格も手頃で、セール時には1,500円程度で購入可能。自分のペースで学習でき、分からないところは講師に質問もできます。
\ 実践的なGitHub活用を含むカリキュラム /
RUNTEQ(ランテック)
RUNTEQは、実践的なGitHub活用を重視するプログラミングスクールです。
カリキュラムの中でチーム開発を経験でき、ブランチ戦略、コードレビュー、コンフリクト解決など、現場で必要なGitHubスキルを実践的に学べます。
卒業時には、充実したGitHubポートフォリオが完成しており、企業へのアピール材料として活用できます。
GitHubの使い方だけなら独学でも可能ですが、「何を上げるか」「どう見せるか」といった戦略的な部分は、経験者のアドバイスが有効です。まずは無料の教材から始め、必要に応じて有料サービスを検討しましょう。
よくある質問
まとめ:今日から始めるGitHub活用
この記事では、未経験者がGitHubに何を上げればいいか、具体的な方法を解説しました。
- 完璧な作品より、継続的な学習記録が重要
- 採用担当者は成長の軌跡を見ている
- レベルに応じた適切なコンテンツがある
- 今すぐ上げられる簡単なコンテンツは多数ある
- 毎日の小さなコミットが大きな資産になる
- プロフィールの見せ方も重要
- 避けるべきNGコンテンツに注意
GitHubは、あなたの成長を記録し、証明する最高のツールです。
「何を上げればいいか分からない」と悩んでいる時間があったら、まず1行でもコードを書いてコミットしましょう。Hello Worldでも、学習メモでも構いません。
大切なのは、完璧を求めることではなく、今日から始めることです。
1年後、あなたのGitHubは緑の芝生で埋まり、成長の軌跡が詰まった素晴らしいポートフォリオになっているはずです。そして、それを見た採用担当者は、「この人と一緒に働きたい」と思うでしょう。
その第一歩を、今日踏み出してください。
\ GitHubを活用した開発を実践的に学ぶ /





