目次
この記事で分かること
- 案件営業力が弱いSES企業の具体的な特徴
- 資格・経験と案件の繋がりを説明できない企業の問題点
- 上流工程案件を獲得できない企業の構造的欠陥
- 営業力の強い優良SES企業の見分け方
- キャリアアップを実現する転職戦略
「資格を取れば案件が変わる」という嘘
「資格を取れば上流工程に参画できる」「経験を積めばいい案件に入れる」「頑張れば設計構築ができるようになる」
多くのSES企業がこのような曖昧な説明でエンジニアを引き止めています。しかし、具体的にどの資格でどの案件に入れるのかを明確に答えられる企業は驚くほど少ないのが現実です。
2024年の調査によると、SESエンジニアの62%が「資格を取っても案件が変わらなかった」と回答。その原因は、企業の案件営業力の弱さにあります。
本記事では、案件営業力が弱い企業の見分け方と、そのような企業から脱出してキャリアアップを実現する方法を詳しく解説します。
案件営業力が弱いSES企業の7つの特徴
特徴1:資格と案件の関係を具体的に説明できない
- 「資格があれば評価される」(どう評価?)
- 「経験を積めば上流に行ける」(いつ?)
- 「頑張れば認められる」(誰に?)
- 「スキル次第で案件は変わる」(どのスキル?)
【優良企業の回答例】
「AWS認定ソリューションアーキテクトを取得すれば、3ヶ月以内に月単価80万円以上のクラウド構築案件を提案できます。実際に先月も2名が資格取得後に案件変更しました」
具体性のない説明は、営業力の弱さの証拠です。
特徴2:営業担当者の技術理解が浅い
- 「Java経験者」としか言えない(フレームワークは?)
- 技術スタックの違いを理解していない
- エンジニアのスキルシートを丸投げ
- クライアントの要求を正確に把握できない
技術を理解していない営業は、エンジニアの価値を適切に売り込めません。
特徴3:単価交渉をしない(できない)
- 「クライアントが決めた単価だから」
- 「業界相場はこんなもの」
- 「経験年数が足りない」
- 「来年は上がるかも」
営業力のある企業は、エンジニアの成長に合わせて単価交渉を行います。
特徴4:案件の選択肢が少ない
- 常に同じクライアントの案件ばかり
- 「今はこれしかない」が口癖
- エンジニアの希望を聞かない
- 「贅沢を言うな」という態度
特徴5:下請けの下請け(多重請負構造)
- エンドユーザー → 元請け → 1次請け → 2次請け → 3次請け → あなたの会社4次請け以下の企業に上流案件は回ってきません。
特徴6:営業活動の実態が不透明
- どこに営業しているか教えない
- 新規開拓の実績がない
- 営業担当者の顔が見えない
- 「営業が頑張っている」だけの説明
特徴7:エンジニアのキャリアプランを描けない
- 「いずれはPMに」(いつ?どうやって?)
- 「経験を積んでから」(何年?)
- 「実力次第」(評価基準は?)
- 「チャンスがあれば」(いつ来る?)
具体的なロードマップがない企業では成長できません。
なぜ営業力の弱い企業では上流工程に参画できないのか
構造的な問題:営業力と案件の質の相関関係
- エンドユーザーと直接取引
- 要件定義から参画
- 単価:80-150万円/月
- エンジニアの成長機会豊富
【営業力が弱い企業】
- 3次請け以下の案件のみ
- テスト・保守がメイン
- 単価:40-60万円/月
- スキルアップ困難
営業力の差が、エンジニアのキャリアを決定づけます。
上流工程案件を獲得できない3つの理由
- 信頼関係の欠如
- エンドユーザーとの接点がない
- 実績がないので信頼されない - 提案力の不足
- 技術的な提案ができない
- 付加価値を生み出せない - 人材育成の失敗
- 上流工程の経験者がいない
- 育成プログラムがない
実例:営業力の差が生んだキャリアの明暗
事例1:営業力の弱い企業で5年間停滞(28歳・男性)
- 入社時:「資格を取れば上流に行ける」と言われる
- 1年目:Java Silver取得 → 変化なし(テスト作業)
- 2年目:Java Gold取得 → 変化なし(テスト作業)
- 3年目:LPIC取得 → 変化なし(監視業務)
- 4年目:AWS認定取得 → 変化なし(Excel作業)
- 5年目:限界を感じて転職決意【会社の言い訳】
- 「タイミングが悪い」
- 「もう少し経験を積んでから」
- 「来年には良い案件が」
- 「資格だけでは難しい」
【転職後】
営業力の強い企業へ転職
- 即座にAWS構築案件にアサイン
- 月単価85万円(前職の2倍)
- 「なぜ前の会社は活用しなかったのか」と驚かれる
【本人のコメント】
「5年間、会社の営業力の弱さに気づかず、自分の実力不足だと思い込んでいました。資格や経験はあったのに、それを活かす案件を取ってこれない会社だったんです。」
事例2:営業力の強い企業で急成長(26歳・女性)
- 入社時:「Python経験1年あれば、データ分析案件を提案できる」と明言
- 6ヶ月:Python学習 → 予告通りデータ分析案件へ
- 1年目:機械学習の基礎を習得 → AI開発案件へ
- 2年目:AWS認定取得 → クラウド×AIの上流案件へ【会社のサポート】
- 明確なキャリアパスの提示
- 資格取得の費用全額負担
- 営業が積極的に案件開拓
- 単価交渉で年収150万円アップ
【現在】
- 月単価95万円
- 要件定義から参画
- 次はPMを目指す明確なプラン
【メッセージ】
「営業力のある会社は、エンジニアの成長に合わせて案件を取ってきてくれます。資格と案件の関係も明確で、努力が確実に報われます。」
優良SES企業の営業力を見極める10の質問
面接で必ず聞くべき質問リスト
- 「AWS認定を取得したら、具体的にどんな案件に入れますか?」
- 「過去1年で、エンジニアの案件変更は何件ありましたか?」
- 「単価アップの実績を教えてください」
- 「エンドユーザーとの直接取引は何%ですか?」
- 「営業担当者は何名いて、どんな活動をしていますか?」
- 「新規案件の開拓実績を教えてください」
- 「上流工程案件の割合はどれくらいですか?」
- 「エンジニアの希望で案件変更した事例はありますか?」
- 「3年後のキャリアパスを具体的に教えてください」
- 「営業担当者と直接話せますか?」
曖昧な回答しかできない企業は避けるべきです。
優良企業の回答例
A:「AWS認定ソリューションアーキテクトを取得すれば、現在3つのクラウド移行案件があり、月単価85-100万円で提案可能です。実際、先月も田中さんが資格取得後2週間で案件変更しました。」
Q:「単価アップの実績は?」
A:「過去1年で平均15%の単価アップを実現。営業が四半期ごとに交渉し、スキルアップに応じて単価を上げています。」
Q:「上流工程案件の割合は?」
A:「全体の40%が要件定義・設計フェーズから参画。エンドユーザー直契約が25%あるため、上流案件を安定的に確保できています。」
営業力の弱い企業から脱出する戦略
転職活動の準備
- スキルの棚卸し
- 保有資格の整理
- 経験技術のリスト化
- 実績の数値化 - 市場価値の確認
- 転職サイトで相場確認
- エージェントに相談
- 同業他社の求人チェック - ポートフォリオ作成
- GitHubでコード公開
- 技術ブログ執筆
- 個人開発の実績 - 企業研究
- 営業力の強い企業リスト作成
- 口コミサイトで評判確認
- 直接取引の割合を調査
営業力の強い企業の見つけ方
- エンドユーザーとの直接取引を公表
- 営業体制を明確に説明
- エンジニアの成長事例を具体的に紹介
- 技術ブログやセミナーを開催
- 単価や案件内容を透明化
【情報収集の方法】
- 企業の採用ページを詳細確認
- Wantedlyで社員インタビュー確認
- 転職会議で内部情報収集
- LinkedInで現役社員にコンタクト
キャリアアップを実現する転職のポイント
転職理由の伝え方
「今の会社の営業力が弱くて...」【OK例】
「保有資格や経験を活かして、より上流工程から関われる環境を求めています。御社は営業力が強く、エンジニアのキャリアパスが明確な点に魅力を感じました。」
前向きな理由に変換することが重要です。
年収交渉のテクニック
- 現在の単価と手取りの差を把握
- 市場価値を正確に理解
- 複数内定で交渉力アップ
- 将来の単価アップ計画も確認
営業力の弱い企業では搾取されていた分、年収が1.5-2倍になることも珍しくありません。
営業力の強いSES企業の実例
A社:エンド直契約50%の営業体制
- 従業員:500名(営業50名、エンジニア450名)
- エンド直契約:50%
- 平均単価:85万円/月
- 上流工程案件:60%【営業戦略】
- 業界特化型の営業チーム編成
- 技術理解の深い営業担当者
- エンジニアと営業の密な連携
- 四半期ごとの単価見直し
【エンジニアの声】
「資格を取ると、1ヶ月以内に関連案件を提案してくれる。営業が技術を理解しているので、適切な案件マッチングができている。」
B社:スキルマップと案件マップの可視化
- スキルと案件の関係を完全可視化
- 「この資格でこの案件」が一目瞭然
- キャリアパスシミュレーター完備【実績】
- 案件変更成功率:85%
- 平均単価アップ率:年20%
- エンジニア満足度:92%
【特徴】
「入社時に3年後までのキャリアプランを明確に提示。それに向けて営業が案件を開拓してくれる。」
よくある質問:営業力と案件の関係
Q1:営業力は入社前に判断できる?
Q2:小規模企業でも営業力は期待できる?
- 特定分野に特化して深い関係構築
- 社長自ら営業して直契約獲得
- 少数精鋭で高単価案件に集中
むしろ小回りが利く分、エンジニアの要望に柔軟に対応できることもあります。
Q3:営業力のない会社に入ってしまったら?
- 在職中に転職活動
- スキルの棚卸しと市場価値確認
- 営業力のある企業を厳選
- 複数内定で条件交渉
時間を無駄にしないよう、計画的に脱出しましょう。
転職エージェントの活用方法
営業力の強い企業を紹介してもらうコツ
- 「上流工程から参画できる企業希望」
- 「エンド直契約の割合が高い企業」
- 「営業体制がしっかりした企業」
- 「キャリアパスが明確な企業」
- 「単価交渉を積極的に行う企業」
【避けるべき企業の特徴も伝える】
「多重請負の下請け企業は避けたい」
「営業力が弱く、案件の選択肢がない企業は除外してください」
明光キャリアパートナーズの強み
- エンド直契約の割合
- 営業体制と人数
- 過去の単価アップ実績
- 上流案件の割合
- エンジニアのキャリアパス事例
営業力の弱い企業で消耗しているエンジニアを、確実にキャリアアップできる企業へ導きます。
まとめ:営業力の弱い企業で時間を無駄にしない
案件営業力の弱いSES企業の特徴と問題点を解説してきました。重要なポイントは:
- 資格と案件の関係を具体的に説明できない企業は危険
- 営業力の弱さがエンジニアのキャリアを停滞させる
- 上流工程案件は営業力のある企業にしか回ってこない
- 面接時の質問で営業力は判断可能
- 営業力の強い企業への転職でキャリアは劇的に変わる
「資格を取れば」「経験を積めば」「頑張れば」
このような曖昧な言葉に騙されて、貴重な時間を無駄にしている場合ではありません。
営業力のない企業で5年過ごすより、営業力のある企業で1年過ごす方が、はるかに成長できます。
- AWS認定を取ったら、どんな案件に入れる?
- 3年後、どんなポジションで、いくらの単価?
- 上流工程案件の具体例は?
- 営業は何人いて、どこに営業している?
- 単価交渉の実績は?
答えられない、または曖昧な回答しかない場合、転職を真剣に検討すべきです。
【次のステップ】
1. 現在の会社の営業力を評価
2. 市場価値と本来の単価を確認
3. 営業力の強い企業をリサーチ
4. 転職エージェントに相談
5. より良い環境へ転職
あなたのスキルと経験は、適切に売り込めば高く評価されます。
営業力の弱い企業に埋もれている必要はありません。
今こそ、本当の価値を認めてくれる企業へ移るタイミングです。
明光キャリアパートナーズが、あなたのキャリアアップを全力でサポートします。