
「28歳からプログラマーって、もう遅いのかな…」
20代も残りわずか。周りを見れば、新卒からエンジニアをやっている同世代はすでに5〜6年のキャリアを積んでいます。今から始めて、本当に追いつけるのだろうか。そんな焦りを感じていませんか。
結論からお伝えすると、28歳からプログラマーを目指すのは「遅くありません」。むしろ、20代のうちに決断できる今がベストなタイミングです。
ただし、これは「誰でも簡単にできる」という意味ではありません。28歳には28歳なりの戦い方があり、それを知らずに挑戦すると遠回りしてしまう可能性があります。
この記事では、28歳からプログラマーを目指す方に向けて、データに基づいた現実、28歳だからこその強み、そして具体的な成功戦略を解説します。読み終える頃には、あなたが「挑戦すべきか」「どう挑戦すべきか」が明確になっているはずです。
目次
28歳からプログラマーは本当に遅い?データで検証
まずは「28歳は遅い」という不安を、客観的なデータから検証しましょう。
IT人材の需要:追い風は確実に吹いている
経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。この深刻な人材不足を背景に、企業は年齢よりもスキルと意欲を重視する傾向が強まっています。
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf)
「28歳だから」という理由だけで門前払いされる時代ではなくなっているのです。
20代後半の転職市場:まだまだ「若手」として見られる
厚生労働省の「令和4年雇用動向調査」によると、25〜29歳の転職入職率は男性で14.7%、女性で14.1%と、全年齢層の中でも高い水準を維持しています。
出典:厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/23-2/index.html)
IT業界においても、28歳は「若手」として扱われることが多く、ポテンシャル採用の対象になりやすい年齢です。30代に入ると「即戦力」を求められる傾向が強まるため、28歳は実はギリギリのタイミングではなく、むしろ好タイミングと言えます。
プログラマーの平均年齢:28歳は若い部類
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の調査によると、IT技術者の平均年齢は約38歳です。つまり、28歳でプログラマーになったとしても、業界の中では「若手」に分類されます。
出典:IPA「IT人材白書」(https://www.ipa.go.jp/jinzai/chousa/index.html)
10年後の38歳時点でも、ようやく「平均」に達するレベルです。長いキャリアを築く時間は十分にあります。
現実的な数字:28歳未経験の転職成功率
では、28歳未経験者の転職成功率はどの程度なのでしょうか。
書類選考通過率:30〜40%程度(30代前半より高い)
ポテンシャル採用:対象になりやすい(20代のうち)
内定獲得までの応募数:20〜40社が目安
転職活動期間:2〜4ヶ月(学習期間を除く)
32歳や35歳と比較すると、28歳はまだ「若さ」という武器を使える年齢です。この優位性を活かさない手はありません。
28歳が持つ「20代最後」という最大の武器
28歳からプログラマーを目指すことには、実は大きなアドバンテージがあります。それは「20代」という看板を使える最後のチャンスだということです。
ポテンシャル採用の恩恵を受けられる
多くの企業では、未経験者の採用において「育成コスト」と「将来の貢献期間」のバランスを考慮します。28歳であれば、定年まで30年以上働ける可能性があり、育成投資の回収が十分に見込めます。
これが30代に入ると、同じ未経験者でも「即戦力性」を求められる傾向が強まります。28歳は、ポテンシャル採用の恩恵を受けられるギリギリのラインなのです。
5〜6年の社会人経験が武器になる
28歳であれば、新卒から5〜6年の社会人経験があるはずです。この経験は、22〜23歳の新卒未経験者にはない強みになります。
ビジネスマナー・コミュニケーション能力が身についている
チームで働くことに慣れている
納期意識・責任感がある
前職の業界知識がドメイン知識として活かせる
クライアント折衝・要件定義に参加しやすい
企業側から見ると、「プログラミングは教えれば身につくが、社会人としての基礎は教えにくい」という認識があります。28歳の社会人経験は、採用担当者にとって安心材料になるのです。
学習効率は年齢で大きく変わらない
「若いほど覚えが早い」というイメージがありますが、プログラミング学習においては、年齢による差はそれほど大きくありません。むしろ、社会人経験で培った「論理的思考力」や「問題解決能力」が学習を加速させることもあります。
28歳は、若さと経験のバランスが取れた、プログラマーへの転身に適した年齢と言えます。
28歳からプログラマーになる3つのルート
28歳からプログラマーになるには、大きく3つのルートがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った道を選びましょう。
ルート1:プログラミングスクール経由
最も効率的で確実性の高いルートです。体系的なカリキュラムで学習でき、転職サポートも受けられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用 | 40〜80万円程度 |
| 期間 | 3〜6ヶ月 |
| メリット | 効率的な学習、転職サポート、挫折しにくい環境 |
| デメリット | 費用が高い、スクールによって質に差がある |
| 向いている人 | 確実に転職したい人、時間を無駄にしたくない人 |
28歳という年齢を考えると、「時間を買う」という意味でスクールを活用するのは合理的な選択です。特に転職保証付きのスクールであれば、リスクを最小限に抑えられます。
\ 転職成功率98%以上の実績 /
ルート2:独学 + 転職エージェント
費用を抑えたい方向けのルートです。オンライン教材や書籍で独学し、転職エージェントのサポートを受けて転職活動を行います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用 | 数千円〜数万円程度 |
| 期間 | 6ヶ月〜1年 |
| メリット | 費用が安い、自分のペースで学習できる |
| デメリット | 挫折しやすい、学習効率が悪くなりがち |
| 向いている人 | 自己管理能力が高い人、すでに基礎知識がある人 |
ルート3:職業訓練校を活用
費用を最小限に抑えたい方向けの選択肢です。ハローワーク経由で職業訓練校に通い、プログラミングを学ぶことができます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用 | 基本無料(テキスト代のみ) |
| 期間 | 3〜6ヶ月 |
| メリット | 費用がほぼかからない、失業給付を受けながら学習可能 |
| デメリット | カリキュラムの質にばらつき、転職サポートが弱い場合も |
| 向いている人 | 現在無職の人、費用を最小限に抑えたい人 |
出典:厚生労働省「ハロートレーニング(公的職業訓練)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/hellotraining.html)
28歳未経験からの転職を成功させる具体的ステップ
ここからは、28歳未経験者がプログラマーへの転職を成功させるための具体的なステップを解説します。
ステップ1:適性確認と目標設定(1〜2週間)
いきなりスクールに申し込んだり、退職したりするのは危険です。まずは無料の教材でプログラミングに触れ、自分に適性があるかを確認しましょう。
- Progateで基礎を体験(無料プランあり)
- ドットインストールで動画学習(無料レッスンあり)
- 簡単なWebサイトを作ってみる
同時に、「なぜプログラマーになりたいのか」「どんなエンジニアになりたいのか」を言語化しておくことが重要です。面接で必ず聞かれる質問であり、ここが曖昧だと転職活動で苦戦します。
ステップ2:学習計画の策定(1週間)
適性を確認できたら、具体的な学習計画を立てます。28歳であれば、仕事をしながら学習を進めるケースが多いでしょう。
平日:1.5〜2時間(朝or夜)
休日:5〜6時間
週間学習時間:17.5〜22時間
4ヶ月間の総学習時間:280〜352時間
エンジニアとして転職するためには、最低でも300〜500時間の学習が必要とされています。計画を立てる際は、この数字を目安にしましょう。
ステップ3:学習の実行(3〜4ヶ月)
計画に沿って学習を進めます。独学の場合もスクールの場合も、以下の順序で学ぶのが一般的です。
- HTML/CSS(Webページの構造とデザイン)
- JavaScript(Webページに動きをつける)
- バックエンド言語(PHP、Ruby、Pythonなど)
- データベース(MySQL、PostgreSQLなど)
- フレームワーク(Laravel、Rails、Djangoなど)
- Git/GitHub(バージョン管理)
ステップ4:ポートフォリオ作成(1〜2ヶ月)
学習と並行して、または学習後に、オリジナルのアプリケーションを開発します。これがポートフォリオとなり、転職活動での最大の武器になります。
前職の業界課題を解決するアプリを作る(差別化になる)
CRUD機能(作成・読取・更新・削除)を実装する
ユーザー認証機能を実装する
GitHubでソースコードを公開する
READMEに開発背景と工夫点を記載する
実際にデプロイして動く状態にする
ステップ5:転職活動(2〜4ヶ月)
ポートフォリオが完成したら、転職活動を開始します。28歳未経験の場合、以下の戦略が効果的です。
- IT特化型の転職エージェントを複数登録する
- 未経験者歓迎の求人を中心に応募する
- 前職の業界知識を活かせる企業を優先する
- 20〜40社への応募を想定しておく
\ 自社開発企業への転職に強い /
28歳プログラマー転職のリアルな年収と将来性
転職を検討する上で、最も気になるのは「年収」と「将来性」ではないでしょうか。ここでは、28歳からプログラマーになった場合の現実的な数字をお伝えします。
転職直後〜5年目までの年収推移
| 経験年数 | 年収目安 | ポジション例 |
|---|---|---|
| 転職直後(1年目) | 300〜380万円 | ジュニアエンジニア |
| 2年目 | 350〜420万円 | エンジニア |
| 3年目 | 400〜500万円 | エンジニア〜シニア |
| 5年目 | 500〜650万円 | シニアエンジニア、リーダー |
28歳で転職した場合、33歳時点で年収500〜650万円に到達できる可能性があります。前職の年収によっては一時的にダウンする場合もありますが、3〜5年で追いつき、追い越すケースが多いです。
10年後のキャリアパス
28歳でプログラマーになった場合、38歳時点でどのようなキャリアパスがあるのでしょうか。
テックリード:年収700〜900万円(技術のスペシャリスト)
エンジニアリングマネージャー:年収700〜1000万円(チームマネジメント)
フリーランス:年収800〜1200万円(案件次第で変動)
起業・CTO:収入は事業次第(技術責任者として独立)
28歳からスタートしても、10年後には十分な経験と年収を得られる可能性があります。
将来性:IT人材の需要は今後も拡大
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、あらゆる業界でIT人材の需要が高まっています。経済産業省の予測では、2030年には最大79万人のIT人材が不足するとされており、プログラマーの需要は今後も拡大が見込まれます。
28歳から始めても、40代、50代まで活躍できるフィールドがあるのがIT業界の魅力です。
28歳からの挑戦でよくある失敗パターンと対策
28歳からプログラマーを目指す際に、よく陥る失敗パターンを紹介します。これらを避けることで、転職成功の確率を高めることができます。
失敗パターン1:「まだ若いから大丈夫」と油断する
28歳はまだ若いですが、「いつでも始められる」と先延ばしにしていると、あっという間に30代になってしまいます。30代に入ると、ポテンシャル採用の対象から外れ、転職難易度が上がります。
対策:「今日が一番若い日」という意識を持ち、すぐに行動を開始しましょう。まずは無料のプログラミング教材に触れることから始められます。
失敗パターン2:学習期間を長く取りすぎる
「もっと勉強してから」「完璧になってから」と転職活動を先延ばしにする人がいます。しかし、実務経験に勝る学習はありません。ある程度のスキルが身についたら、転職活動を始めることが重要です。
対策:学習期間は最長でも6ヶ月を目安に。ポートフォリオが完成したら、すぐに転職活動を開始しましょう。
失敗パターン3:条件にこだわりすぎる
「自社開発企業しか受けない」「年収は下げたくない」「フルリモート必須」といった条件にこだわりすぎると、応募できる企業が極端に減ります。
対策:最初の転職では条件を緩めることも必要です。2〜3年後の転職で条件を上げていく戦略を取りましょう。
失敗パターン4:一人で抱え込む
転職活動は孤独な戦いになりがちです。特に不採用が続くと、精神的に追い詰められることもあります。
対策:転職エージェントやスクールのキャリアアドバイザー、同じ境遇の仲間など、相談できる相手を持つことが重要です。
失敗パターン5:前職の経験を活かさない
28歳の最大の強みは、5〜6年の社会人経験です。これを活かさず、「ゼロからのスタート」として転職活動をすると、他の未経験者との差別化ができません。
対策:前職の業界知識やスキルを、エンジニアとしての価値に変換しましょう。「業界知識を持つエンジニア候補」としてポジショニングすることで、採用されやすくなります。
よくある質問(FAQ)
まとめ:28歳からプログラマーは「遅くない」、でも「今すぐ」始めよう
28歳からプログラマーを目指すことは、決して遅くありません。むしろ、20代のうちに決断できる今がベストなタイミングです。
この記事のポイントを改めて整理します。
28歳はまだ「若手」。ポテンシャル採用の恩恵を受けられる
5〜6年の社会人経験は、新卒未経験者にはない強み
効率的に学習するならプログラミングスクールの活用がおすすめ
前職の業界知識を活かしたポジショニングで差別化
最初の1〜2年は「投資期間」と割り切る覚悟も必要
大切なのは、「遅いかどうか」を悩み続けることではなく、まず一歩を踏み出すことです。30代に入ると転職難易度は上がります。「今日が一番若い日」という意識を持って、行動を開始しましょう。
プログラミングスクールの無料カウンセリングや、転職エージェントへの相談は、リスクなく始められます。この記事が、あなたの一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
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