SIerとSESの違いをわかりやすく解説|7つの比較と選び方

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「SIerとSESって何が違うの?」IT業界の基本を理解しよう

IT業界への就職や転職を考えているけれど、「SIer」と「SES」の違いがよく分からない。求人票を見ても、どちらも似たような仕事内容に見える。自分はどちらを選ぶべきなのか…。

このような悩みを持つ方は非常に多いです。実際、IT業界で働いている人でも、この2つの違いを正確に説明できない人は少なくありません。

しかし、SIerとSESは、ビジネスモデル、働き方、キャリアパス、年収など、多くの面で大きく異なります。この違いを理解せずに就職・転職すると、「思っていたのと違った」という後悔につながる可能性があります。

この記事では、SIerとSESの違いを、IT業界未経験の方でも理解できるように、具体例を交えながら分かりやすく解説します。さらに、それぞれのメリット・デメリットや、あなたに合った選び方まで、実践的な情報をお届けします。

5分後には、SIerとSESの違いが明確に理解でき、自信を持って進路を選べるようになるでしょう。

SIerとSESの違いを3分で理解【比較表付き】

まずは、SIerとSESの違いを簡潔に理解しましょう。詳細は後述しますが、ここでは全体像を把握することを目的とします。

一言で表すと

SIerとSESの本質的な違い

SIer(System Integrator):システム開発を「請け負う」会社。プロジェクト全体の責任を持つ。

SES(System Engineering Service):エンジニアの「技術力を提供する」会社。人材派遣に近い形態。

分かりやすい比較表

SIerとSESの主要な違い
項目 SIer SES
ビジネスモデル システム開発の請負・受託 エンジニアの技術力提供
契約形態 請負契約・準委任契約 準委任契約(派遣契約)
働く場所 自社または客先(プロジェクト単位) 基本的に客先常駐
責任範囲 成果物・プロジェクト全体 労働時間・技術提供
指揮命令 自社の上司 自社の上司(建前上)
代表的な企業 NTTデータ、富士通、NEC 多数の中小SES企業
平均年収 500〜800万円 350〜500万円

身近な例で理解する

SIerとSESの違いを、家を建てる場合に例えると:

  • SIer = ハウスメーカー(家を建てる全責任を負う)
  • SES = 大工さんの派遣会社(技術者を現場に送る)

SIerは「家を完成させる」ことに責任を持ちますが、SESは「優秀な大工さんを提供する」ことが仕事です。

SIer(エスアイアー)とは?特徴と仕組みを解説

SIerについて、より詳しく理解していきましょう。

SIerの定義と役割

SIer(System Integrator:システムインテグレーター)は、顧客企業のシステム開発を請け負い、企画から開発、運用まで一貫して行う企業です。

経済産業省の定義によると、SIerは「情報システムの企画、構築、運用などの業務を一括して請け負う企業」とされています。

出典:経済産業省「特定サービス産業実態調査」

SIerの種類と階層構造

SIerには大きく分けて3つの種類があります。

  • メーカー系SIer:日立、富士通、NECなどハードウェアメーカーの子会社
  • ユーザー系SIer:NTTデータ、野村総研など大手企業の情報システム部門が独立
  • 独立系SIer:大塚商会、TISなど独立資本の企業

また、SIerには階層構造があります:

  1. 元請け(プライムベンダー):顧客から直接受注
  2. 2次請け:元請けから一部を受注
  3. 3次請け以下:さらに下請けとして参画

SIerの仕事内容

SIerの仕事は、システム開発の全工程に関わります。

システム開発の工程
  1. 要件定義:顧客のニーズをヒアリングし、システム要件を決定
  2. 基本設計:システムの全体構成を設計
  3. 詳細設計:プログラムレベルの設計
  4. 開発(プログラミング):実際にコードを書く
  5. テスト:システムが正しく動作するか確認
  6. 納品・導入:顧客環境へのシステム導入
  7. 保守・運用:システムの維持管理

大手SIerでは上流工程(要件定義〜基本設計)を担当し、下流工程(開発〜テスト)は協力会社に委託することが一般的です。

SES(エスイーエス)とは?特徴と仕組みを解説

続いて、SESについて詳しく見ていきましょう。

SESの定義と役割

SES(System Engineering Service)は、エンジニアの技術力を時間単位で提供するサービスです。

正確には「システムエンジニアリングサービス契約」という契約形態を指し、エンジニアを客先に常駐させて技術支援を行います。

厚生労働省の分類では、SESは「労働者派遣事業」とは異なり、「業務委託」の一形態とされています。

出典:厚生労働省「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」

SESの契約形態(準委任契約)

SESは「準委任契約」という形態を取ります。

準委任契約の特徴
  • 成果物の完成責任はない(労働力の提供が目的)
  • 指揮命令権は自社にある(建前上)
  • 月単位での契約が一般的(140〜180時間/月)
  • エンジニアの稼働時間に対して報酬が支払われる

ただし、実態として客先の指示で動くことが多く、「偽装請負」の問題が指摘されることもあります。

SESの仕事内容

SESエンジニアの仕事内容は、配属される現場によって大きく異なります。

一般的な業務:

  • システム開発の一部を担当
  • テスト作業
  • 既存システムの保守・運用
  • ドキュメント作成
  • 技術サポート

配属先は3〜6ヶ月単位で変わることが多く、様々な現場を経験できる反面、腰を据えてスキルを磨きにくいという側面もあります。

SIerとSESの7つの違い【詳細比較】

ここからは、SIerとSESの違いをより詳細に比較していきます。

違い1:ビジネスモデル

最も大きな違いは、収益を得る仕組みです。

収益モデルの違い

SIer:

  • プロジェクト単位で契約
  • 成果物(システム)に対して報酬を得る
  • プロジェクトの規模や難易度で金額が決まる

SES:

  • エンジニア一人あたりの月単価で契約
  • 労働時間に対して報酬を得る
  • エンジニアのスキルレベルで単価が決まる

違い2:責任範囲

SIerは成果物に責任を持ちますが、SESは労働力の提供に責任を持ちます。

例えば、システムにバグがあった場合:

  • SIer:修正の責任がある(瑕疵担保責任)
  • SES:指示通り作業していれば責任はない

違い3:働く場所

  • SIer:自社オフィスが基本(プロジェクトによって客先の場合も)
  • SES:客先常駐が基本(自社に戻ることは稀)

違い4:キャリアパス

SIerとSESでは、キャリアの積み方が異なります。

SIerのキャリアパス:

  1. プログラマー(1〜3年)
  2. システムエンジニア(3〜5年)
  3. プロジェクトリーダー(5〜8年)
  4. プロジェクトマネージャー(8年〜)
  5. ITコンサルタント、管理職など

SESのキャリアパス:

  1. 初級エンジニア(1〜2年)
  2. 中級エンジニア(2〜5年)
  3. 上級エンジニア(5年〜)
  4. フリーランス転向or他社転職が多い

違い5:給与体系

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の調査によると、IT技術者の平均年収には差があります。

出典:IPA「IT人材白書」

平均年収の比較(経験5年の場合)
企業規模 SIer SES
大手 600〜800万円 -
中堅 500〜600万円 400〜500万円
中小 400〜500万円 350〜450万円

違い6:スキルアップの機会

スキル習得の観点でも違いがあります。

SIer:

  • 上流工程から下流工程まで幅広く経験できる
  • プロジェクトマネジメントスキルが身につく
  • 特定の業界知識が深まる

SES:

  • 様々な現場で多様な技術に触れられる
  • 実装スキルが身につきやすい
  • 幅広いが浅い知識になりがち

違い7:雇用の安定性

  • SIer:プロジェクトベースだが、大手は安定している
  • SES:案件次第で不安定(待機リスクあり)

SIerとSESそれぞれのメリット・デメリット

どちらにも良い面と悪い面があります。総合的に判断することが重要です。

SIerのメリット

SIerで働くメリット
  • プロジェクト全体を経験でき、やりがいがある
  • 上流工程に関われるチャンスが多い
  • 大手企業が多く、福利厚生が充実
  • 給与水準が比較的高い
  • マネジメントスキルが身につく
  • 顧客との直接的な関わりがある
  • 社会的信用が高い

SIerのデメリット

  • 納期のプレッシャーが大きい
  • 残業が多くなりがち
  • 技術よりマネジメント重視になることも
  • レガシーシステムの保守が多い
  • 新技術の導入が遅い傾向

SESのメリット

SESで働くメリット
  • 未経験でも入りやすい
  • 様々な現場・技術を経験できる
  • 残業が比較的少ない(契約で決まっているため)
  • 人間関係のストレスが少ない(期間限定のため)
  • 責任が限定的でプレッシャーが少ない
  • フリーランスへの転向がしやすい

SESのデメリット

  • 給与が上がりにくい
  • キャリアパスが不明確
  • 客先常駐で帰属意識が持ちにくい
  • スキルアップが個人任せ
  • 案件によって当たり外れが大きい
  • 雇用が不安定(案件次第)

SIerとSESどちらを選ぶべき?タイプ別診断

あなたに合っているのはSIerかSESか、タイプ別に診断してみましょう。

SIerが向いている人

こんな人はSIerがおすすめ
  • プロジェクト全体を管理したい
  • 顧客と直接関わりたい
  • 安定した環境で働きたい
  • 将来はマネジメント職を目指したい
  • 大規模システムの開発に関わりたい
  • 上流工程(要件定義・設計)に興味がある
  • 一つの会社で長く働きたい

3つ以上当てはまる場合は、SIerが向いている可能性が高いです。

SESが向いている人

こんな人はSESがおすすめ
  • 様々な技術・現場を経験したい
  • プログラミングに集中したい
  • 責任やプレッシャーは最小限にしたい
  • 未経験からIT業界に入りたい
  • 将来フリーランスを目指している
  • 人間関係をリセットしやすい環境が良い
  • 残業は少ない方が良い

3つ以上当てはまる場合は、SESが向いている可能性が高いです。

第三の選択肢も検討しよう

SIerとSES以外にも、IT業界には様々な働き方があります。

  • 自社開発企業:自社サービスを開発する企業
  • Web系企業:Webサービスに特化した企業
  • 社内SE:一般企業の情報システム部門
  • フリーランス:独立して働く

SIerとSESのキャリアパスと年収の違い

長期的な視点で、キャリアと年収の違いを見ていきましょう。

年収推移の比較

経験年数別の平均年収
経験年数 大手SIer 中堅SIer SES
1〜3年 400〜500万円 350〜450万円 300〜400万円
3〜5年 500〜650万円 450〜550万円 400〜480万円
5〜10年 650〜800万円 550〜650万円 450〜550万円
10年以上 800万円〜 650〜750万円 500〜600万円

※あくまで平均的な数値です

キャリアチェンジの可能性

SIerからの転職先:

  • コンサルティングファーム
  • 事業会社の情報システム部門
  • ベンチャー企業のCTO
  • 独立してコンサルタント

SESからの転職先:

  • 自社開発企業
  • フリーランスエンジニア
  • SIerへのステップアップ
  • 専門性を活かした技術顧問

スキルの市場価値

市場価値が高いスキル:

SIer出身者:

  • プロジェクトマネジメント
  • 要件定義・設計能力
  • 業界知識(金融、製造など)
  • 大規模システムの経験

SES出身者:

  • 実装力・技術力
  • 適応力・柔軟性
  • 幅広い技術知識
  • 現場経験の豊富さ

 注意:企業規模による差が大きい

SIerもSESも、企業規模によって待遇や環境が大きく異なります。大手SIerと中小SESでは差が大きいですが、優良な中小SIerや、エンジニアを大切にするSES企業も存在します。企業選びは慎重に行いましょう。

SIer・SES企業への転職サポート

SIerとSESの違いを理解した上で、自分に合った企業を見つけるためのサービスを紹介します。

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クラウドリンク

IT業界専門の転職エージェント
SIer・SES両方の優良企業を紹介。あなたに合った働き方を提案。

クラウドリンクは、IT業界に特化した転職エージェントです。

SIerとSESの違いを熟知したキャリアアドバイザーが、あなたの希望やスキルに合わせて最適な企業を紹介してくれます。大手SIerから優良SES企業まで幅広い求人を保有しており、それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、キャリアプランを一緒に考えてくれます。

審査を通過した優良企業のみを扱っているため、ブラック企業を避けられるのも大きなメリットです。

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SIerとSESの違いから丁寧に説明。初心者にも分かりやすい。

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IT業界の構造やSIer・SESの違いについて、初心者にも分かりやすく説明してくれます。エンジニア経験のあるアドバイザーが在籍しているため、実際の働き方や現場の雰囲気まで詳しく教えてもらえます。

未経験からの転職支援も得意としており、SIerとSESどちらが自分に合っているか迷っている方に最適です。

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IT業界未経験者向け
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SIerとSESの違いといった基本的なことから、それぞれの働き方のメリット・デメリットまで、丁寧に説明してくれます。未経験者がIT業界でキャリアを築くための現実的なプランを提案してくれるため、初めての転職でも安心です。

入社後のフォローアップも充実しており、長期的なキャリア形成をサポートしてくれます。

 転職エージェントは複数登録がおすすめ

転職エージェントによって保有している求人や得意分野が異なります。2〜3社に登録して比較検討することで、SIerとSESの両方の選択肢を幅広く検討できます。すべて無料で利用できるので、まずは気軽に相談してみましょう。

よくある質問

SIerとSESはどちらが良いですか?
どちらが良いかは、あなたの価値観や目指すキャリアによります。安定性とマネジメント経験を重視するならSIer、様々な技術経験と柔軟な働き方を求めるならSESが向いています。まずは自分が何を重視するかを明確にすることが大切です。
未経験者はSIerとSESどちらから始めるべきですか?
未経験者の場合、SESの方が入りやすい傾向があります。SESで1〜2年経験を積んでから、SIerや自社開発企業へステップアップする人も多いです。ただし、新卒の場合は大手SIerの方が教育体制が整っているため、SIerから始めるのも良い選択です。
SESからSIerへの転職は可能ですか?
可能です。SESで培った技術力や現場経験は、SIerでも評価されます。特に実装力が高い人材は、SIerでも需要があります。ただし、上流工程の経験がないと、最初は下流工程からのスタートになる可能性があります。
SIerとSESの将来性はどうですか?
両方とも需要は継続すると考えられますが、変化も起きています。SIerはDXコンサルティングへシフトし、SESは専門性の高いエンジニアが求められるようになっています。どちらを選んでも、継続的なスキルアップが重要です。
派遣とSESの違いは何ですか?
最大の違いは指揮命令権です。派遣は派遣先企業が指揮命令権を持ちますが、SESは自社が指揮命令権を持ちます(建前上)。また、派遣は派遣法の適用を受けますが、SESは業務委託契約です。ただし、実態として違いが曖昧なケースも多いのが現状です。

まとめ:自分に合った働き方を選ぼう

この記事では、SIerとSESの違いについて、分かりやすく解説してきました。

この記事のポイント
  • SIerはシステム開発を請け負う会社、SESは技術力を提供する会社
  • ビジネスモデル、責任範囲、働き方など7つの大きな違いがある
  • SIerは安定性とマネジメント経験、SESは技術経験と柔軟性が特徴
  • どちらにもメリット・デメリットがあり、一概にどちらが良いとは言えない
  • 自分の価値観やキャリアプランに合わせて選ぶことが重要
  • 転職エージェントを活用すれば、両方の選択肢を比較検討できる

SIerとSESは、それぞれ異なる特徴を持つ働き方です。大切なのは、違いを正しく理解した上で、自分に合った選択をすることです。

安定性を求めるのか、技術力を磨きたいのか。マネジメントに興味があるのか、プログラミングに集中したいのか。あなたの価値観と目指すキャリアを明確にすることから始めましょう。

また、SIerかSESかという二択にこだわる必要もありません。自社開発企業や社内SEなど、他の選択肢も含めて検討することで、より良いキャリアを築けるかもしれません。

この記事が、あなたのキャリア選択の一助となれば幸いです。

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