目次
「ポートフォリオ、何を作ればいいか分からない…」
プログラミングの基礎は学んだ。技術書も読んだ。でも、いざポートフォリオを作ろうとすると、手が止まってしまう。
「ToDoアプリはありきたりすぎる」「でも複雑すぎるものは作れない」「そもそも何を作れば評価されるの？」
このような悩みを抱えているあなたは、決して一人ではありません。実は、多くのエンジニア志望者が同じ壁にぶつかっています。
アイデアが思いつかないのは、創造性がないからではありません。「何を作るべきか」の判断基準と、具体的な選択肢を知らないだけなのです。
この記事では、レベル別に50個以上のポートフォリオアイデアを紹介し、さらにそのアイデアを形にする具体的な方法まで解説します。読み終わる頃には、「これを作ろう！」というワクワク感と、完成までの道筋が明確に見えているはずです。
なぜポートフォリオのアイデアが思いつかないのか？3つの原因
まず、なぜアイデアが思いつかないのか、その原因を理解しましょう。原因が分かれば、解決策も見えてきます。
原因1：完璧主義の罠
「すごいものを作らなければ」という思い込みが、アイデアを出す段階でブレーキをかけています。
GitHubやQiitaで見かける素晴らしい作品と自分を比較し、「こんなレベルのものは作れない」と諦めてしまう。しかし、採用担当者が見ているのは、作品の完成度だけではありません。
経済産業省の「IT人材需給に関する調査」でも、企業が新人エンジニアに求めるのは「学習能力」と「成長可能性」が上位を占めています。
完璧でなくても、あなたの現在のスキルと努力が見える作品であれば、十分に価値があるのです。
原因2：実生活との接点が見えていない
プログラミングを「技術」としてだけ捉えていると、アイデアが浮かびません。
優れたポートフォリオは、実生活の課題を解決するものです。あなたが日常で感じる「面倒くさい」「もっと便利になればいいのに」という感情こそが、アイデアの源泉なのです。
しかし、多くの人はこの接点に気づいていません。技術から考えるのではなく、課題から考えることが重要です。
原因3：選択肢を知らない
「ポートフォリオ = Webアプリ」という固定観念に縛られていませんか？
実際には、以下のような多様な形式があります：
- Webアプリケーション
- モバイルアプリ
- Chrome拡張機能
- APIサービス
- データ分析・可視化ツール
- 自動化スクリプト
- ゲーム
- OSSへの貢献
選択肢を知らないから、アイデアが限定されてしまうのです。
採用担当者が評価するポートフォリオの特徴
アイデアを考える前に、「評価されるポートフォリオ」の特徴を理解しておきましょう。これが、アイデア選びの指針になります。
特徴1：課題解決の視点がある
採用担当者が最も重視するのは、「なぜこれを作ったのか」という動機です。
「技術を学ぶため」では弱い。「○○という課題を解決するため」という明確な目的があると、ビジネス視点を持った人材として評価されます。
実際の開発現場でも、技術は手段であり、目的は課題解決です。この視点を持っているかどうかが、プロとアマチュアの分かれ目になります。
特徴2：技術的なチャレンジがある
基本的な機能だけでなく、何か一つでも技術的な挑戦をしていることが重要です。
例えば：
- リアルタイム通信の実装
- 外部APIの活用
- パフォーマンスの最適化
- セキュリティ対策
- テストコードの充実
完璧である必要はありません。「こういう技術に挑戦しました」という姿勢が評価されます。
特徴3：完成度より継続性
一つの完璧な作品より、複数の作品を継続的に作っている方が評価されます。
GitHubのコントリビューショングラフが緑色で埋まっていることは、継続的な学習習慣の証明になります。独立行政法人情報処理推進機構（IPA）の調査でも、企業が重視する能力として「継続的な学習能力」が挙げられています。
特徴4：ドキュメントが充実している
README.mdの充実度は、コミュニケーション能力の指標になります。
含めるべき内容：
- 作品の概要と目的
- 使用技術とその選定理由
- セットアップ方法
- 使い方
- 工夫した点
- 今後の改善予定
コードが読みやすく、ドキュメントが充実していることは、チーム開発への適性を示します。
レベル別ポートフォリオアイデア50選【完全版】
ここからは、具体的なアイデアを紹介します。あなたのスキルレベルに合わせて選んでください。
初級レベル（学習期間3ヶ月〜6ヶ月）
- 個人ブログ（Markdown対応、タグ機能付き）
- 書籍管理アプリ（読書記録、評価機能）
- 習慣トラッカー（グラフ表示機能付き）
- レシピ共有サイト（材料から検索可能）
- 単語帳アプリ（間隔反復学習対応）
- 家計簿アプリ（カテゴリ分析機能）
- 天気予報アプリ（複数地域対応）
- ポモドーロタイマー（統計機能付き）
- URL短縮サービス（アクセス解析付き）
- クイズアプリ（ジャンル別、ランキング機能）
- メモアプリ（タグ、検索機能）
- カウントダウンタイマー（複数イベント管理）
- BMI計算機（履歴グラフ表示）
- 為替レート変換アプリ（リアルタイム更新）
- パスワード生成ツール（強度表示付き）
これらは基本的な CRUD操作（Create, Read, Update, Delete）を学べる良い題材です。
中級レベル（実務経験1年相当）
- リアルタイムチャットアプリ（WebSocket使用）
- カンバンボード（ドラッグ&ドロップ対応）
- SNS風アプリ（フォロー、いいね機能）
- ECサイト（カート、決済機能模擬）
- 予約システム（カレンダー連携）
- 動画共有プラットフォーム（アップロード、ストリーミング）
- 音楽プレイヤー（プレイリスト管理）
- 地図アプリ（位置情報活用）
- 画像編集ツール（フィルター機能）
- マッチングアプリ（アルゴリズム実装）
- 在庫管理システム（バーコード対応）
- 勤怠管理システム（打刻、集計機能）
- オンライン試験システム（時間制限、自動採点）
- クラウドストレージ（ファイル共有機能）
- RSSリーダー（自動更新、カテゴリ分類）
- 議事録作成ツール（音声認識対応）
- プロジェクト管理ツール（ガントチャート表示）
- API提供サービス（認証、レート制限）
- データ可視化ダッシュボード（リアルタイム更新）
- AIチャットボット（自然言語処理）
外部API連携やリアルタイム処理など、実践的な技術を含みます。
上級レベル（実務経験2年以上相当）
- マイクロサービス構成のWebアプリ
- ブロックチェーン活用アプリ（NFT、DeFi）
- 機械学習を使った画像認識アプリ
- リアルタイム共同編集ツール（Google Docs風）
- IoTデバイス連携システム
- 分散型SNS（P2P通信）
- 自動売買Bot（仮想通貨、株式）
- AR/VRアプリケーション
- 音声アシスタント（スマートホーム連携）
- コンテナオーケストレーション管理ツール
- セキュリティ監査ツール
- コード品質分析ツール
- パフォーマンス監視システム
- 自作プログラミング言語（インタープリタ）
- OSS開発（既存プロジェクトへの大規模貢献）
最新技術や高度なアーキテクチャを活用した挑戦的なプロジェクトです。
アイデアを形にする5ステップ実践法
アイデアが決まったら、次は実装です。挫折せずに完成させるための実践的な方法を紹介します。
ステップ1：スコープを最小限にする（MVP思考）
最初から完璧を目指すと挫折します。MVP（Minimum Viable Product：実用最小限の製品）から始めましょう。
例：書籍管理アプリの場合
MVP版（1週間で完成）：
- 本の登録・一覧表示・削除のみ
- デザインは最小限
- ユーザー認証なし
改善版（追加で2週間）：
- 検索機能追加
- カテゴリ分類
- 評価機能
完成版（さらに2週間）：
- ユーザー認証
- レビュー投稿
- おすすめ機能
ステップ2：技術スタックを決める
使い慣れた技術 + 新しい挑戦のバランスが重要です。
推奨される組み合わせ：
- 70%：既に知っている技術
- 30%：新しく学びたい技術
これにより、確実に完成させながら、スキルアップも実現できます。
ステップ3：設計図を作る
コードを書く前に、以下を明確にしましょう：
- 画面遷移図（どんな画面があるか）
- データベース設計（どんなデータを扱うか）
- API設計（どんな機能が必要か）
- タスクリスト（何から着手するか）
設計に1日かけても、実装で1週間短縮できます。
ステップ4：毎日コミットする習慣をつける
完成までモチベーションを維持するコツは、毎日少しずつ進めることです。
1日30分でも構いません。重要なのは継続です。
GitHubの草（コントリビューション）を育てることを目標にすると、ゲーム感覚で続けられます。
ステップ5：公開してフィードバックを得る
完成度60%でも公開しましょう。完璧を待っていたら、永遠に公開できません。
公開先：
- GitHub（ソースコード）
- Heroku、Vercel、Netlify（デプロイ）
- Twitter、Qiita（宣伝・フィードバック）
フィードバックを得ることで、改善のモチベーションが生まれます。
技術スタック別おすすめポートフォリオ
使いたい技術が決まっている方向けに、技術スタック別のおすすめを紹介します。
フロントエンド特化
おすすめアイデア：
- インタラクティブなダッシュボード
- リアルタイムコラボレーションツール
- プログレッシブWebアプリ（PWA）
- アニメーション豊富なポートフォリオサイト
- コンポーネントライブラリ
技術的なアピールポイント：
- 状態管理（Redux、Vuex）
- SSR/SSG対応
- パフォーマンス最適化
- アクセシビリティ対応
バックエンド特化
おすすめアイデア：
- RESTful API / GraphQL API
- リアルタイム通信サーバー
- バッチ処理システム
- スクレイピングツール
- 認証・認可システム
技術的なアピールポイント：
- マイクロサービス設計
- データベース最適化
- キャッシング戦略
- セキュリティ実装
モバイルアプリ
おすすめアイデア：
- 位置情報活用アプリ
- カメラ機能活用アプリ
- オフライン対応アプリ
- プッシュ通知活用アプリ
- ウィジェット対応アプリ
技術的なアピールポイント：
- ネイティブ機能の活用
- クロスプラットフォーム対応
- アプリサイズの最適化
- バッテリー消費の考慮
データサイエンス/AI
おすすめアイデア：
- データ分析ダッシュボード
- 機械学習モデルのAPI化
- 自然言語処理ツール
- 画像認識アプリ
- 推薦システム
技術的なアピールポイント：
- モデルの精度改善
- データの前処理
- 可視化の工夫
- 実用的な応用
差別化できるオリジナリティの出し方
「ありきたり」から脱却し、オリジナリティを出す方法を解説します。
方法1：自分の趣味・関心と掛け合わせる
プログラミング × あなたの趣味 = オリジナルアイデア
例：
- 料理好き → レシピの栄養価自動計算アプリ
- 音楽好き → コード進行解析ツール
- 旅行好き → 旅程最適化アプリ
- 読書好き → 読書会マッチングサービス
自分の興味がある分野なら、ユーザーの気持ちが分かり、本当に必要な機能を実装できます。
方法2：既存サービスの「不満」を解決する
有名サービスの「ここが使いにくい」を改善したものを作る。
- Twitter → 文字数制限なしのマイクロブログ
- YouTube → 広告なしの動画プラットフォーム
- Instagram → プライバシー重視の写真共有
- Slack → よりシンプルなチャットツール
完全なコピーではなく、特定の不満点にフォーカスすることが重要です。
方法3：ニッチな対象に特化する
万人向けではなく、特定の人々に特化したサービスを作る。
例：
- エンジニア向け婚活アプリ
- 一人暮らし大学生向け家計簿
- リモートワーカー向け運動リマインダー
- 高齢者向けシンプルSNS
ターゲットを絞ることで、機能も明確になり、作りやすくなります。
方法4：複数のAPIを組み合わせる
単体では普通でも、組み合わせることでオリジナリティが生まれます。
組み合わせ例：
- 天気API × カレンダーAPI → 天候考慮のスケジュール提案
- ニュースAPI × 感情分析API → ポジティブニュース配信
- 地図API × SNS API → 位置情報ベースの交流サービス
既存サービスを参考にする際は、著作権や商標権を侵害しないよう注意しましょう。また、APIを使用する際は、利用規約を必ず確認してください。
ポートフォリオ作成を加速させるサービス
効率的にポートフォリオを作成するために、活用すべきサービスを紹介します。
＼ 現役エンジニアのサポートでポートフォリオ完成 ／
テックアカデミー
テックアカデミーは、ポートフォリオ作成に悩む方に最適なプログラミングスクールです。
カリキュラムの最終課題として、オリジナルサービスの開発が組み込まれており、現役エンジニアのメンターが企画から実装まで徹底的にサポートしてくれます。
アイデア出しの段階から相談でき、技術選定、設計、実装、デプロイまで、一人では挫折しがちなポートフォリオ作成を最後まで完走できます。作品は転職活動でそのまま使えるクオリティに仕上がります。
＼ 実践的なポートフォリオで転職成功率UP ／
RUNTEQ（ランテック）
RUNTEQは、ポートフォリオの質にこだわるプログラミングスクールです。
卒業制作として作るポートフォリオは、実際の企業から高く評価されており、多くの卒業生が自社開発企業への転職を実現しています。
アイデア出しから企画、設計、実装、リリースまで、実際の開発現場と同じプロセスを経験できます。技術メンターとキャリアアドバイザーの両方からサポートを受けられるため、転職に直結するポートフォリオを作れます。
＼ 豊富なコースでアイデアを形に ／
Udemy
Udemyには、ポートフォリオ作成に特化したコースが多数あります。
「React でポートフォリオサイトを作る」「Pythonで機械学習アプリを作る」など、具体的なプロジェクトベースのコースを受講することで、アイデアを形にする方法を学べます。
価格も手頃で、セール時には1,500円程度で購入可能。自分のペースで学習でき、分からないところは講師に質問もできます。複数のコースを組み合わせることで、オリジナルのアイデアも生まれやすくなります。
プログラミングスクールは高額ですが、メンターのサポートで確実に完成させられます。独学で挫折した経験がある方は、投資する価値があります。まずは無料体験や相談会に参加して、自分に合うか確認しましょう。
よくある質問
まとめ：今すぐ作り始めよう
この記事では、ポートフォリオのアイデアが思いつかない原因から、具体的なアイデア50選、そして実装方法まで解説しました。
- アイデアが出ないのは、完璧主義と選択肢の不足が原因
- 採用担当者は、課題解決の視点と継続性を評価する
- レベルに応じた50以上のアイデアから選べる
- MVPから始めて、段階的に改善することが重要
- 自分の趣味や関心と掛け合わせることでオリジナリティが生まれる
- 完成度60%でも公開し、フィードバックを得ることが大切
もう「アイデアが思いつかない」という言い訳はできません。この記事で紹介した50以上のアイデアの中から、あなたのレベルと興味に合ったものを選んでください。
完璧である必要はありません。今日から始めることが、何より重要です。
まずは最も簡単なものから始めましょう。1つ完成させれば、自信がつき、次のアイデアも自然と浮かんでくるはずです。
3ヶ月後、あなたのGitHubには複数の作品が並び、企業から「ぜひ会いたい」と言われる日が来るでしょう。
その第一歩を、今日踏み出してください。
＼ メンターと一緒にポートフォリオを完成させる ／
