
目次
この記事で分かること
- エンジニアの給料が上がらない構造的な原因
- 5年目・10年目の適正年収と現実のギャップ
- 昇給交渉が失敗する理由と企業の手口
- 給料が上がらない会社から脱出する方法
- 転職で年収を2倍にした実例と戦略
エンジニア5年目で手取り20万円という現実
「スキルは確実に向上している」「責任も増えている」「後輩の指導もしている」
それなのに、給料は入社時からほとんど変わらない。2024年の調査によると、エンジニアの34%が「5年以上勤めても年収が50万円も上がっていない」と回答しています。
特に衝撃的なのは、経験5年目で手取り20万円、年収300万円台というケースが珍しくないことです。同じ5年目でも、企業によっては年収600万円、700万円のエンジニアがいる中で、この格差は異常としか言いようがありません。
本記事では、なぜエンジニアの給料が上がらないのか、その構造的な問題と、適正な報酬を得るための具体的な方法を詳しく解説します。
エンジニアの年収の現実と理想のギャップ
経験年数別の年収データ(2024年版)
- 業界平均:400-500万円
- 優良企業:500-600万円
- 搾取企業:250-350万円
■ 5年目
- 業界平均:550-650万円
- 優良企業:700-850万円
- 搾取企業:300-400万円
■ 10年目
- 業界平均:700-900万円
- 優良企業:1000-1500万円
- 搾取企業:400-500万円
搾取企業では、10年働いても新卒の優良企業以下という残酷な現実があります。
スキルと年収の乖離
- 保有スキル:Java、Spring、AWS、Docker、React
- 資格:Java Gold、AWS認定ソリューションアーキテクト
- 実績:基幹システムの設計・開発、チームリーダー経験
- 現在の年収:320万円
- 市場価値:600-700万円
【衝撃の事実】
Aさんのスキルなら、転職すれば年収が2倍になる可能性があります。
なぜエンジニアの給料が上がらないのか
原因1:SES企業の搾取構造
- クライアントへの請求:月80-100万円
- エンジニアの給料:月25-30万円
- 会社の取り分:月50-70万円(50-70%)
【給料が上がらない理由】
「エンジニアの給料を上げる=会社の利益が減る」という構造のため、絶対に給料を上げたくないのが本音です。
【よくある言い訳】
- 「会社の経営が厳しくて...」→ 実際は高利益率
- 「君の評価がまだ...」→ 評価基準が不明確
- 「来年は必ず...」→ 永遠に来ない来年
原因2:「エンジニア35歳定年説」を悪用
- 20代:「まだ若いから」で低賃金
- 30代前半:「管理職じゃないから」で据え置き
- 30代後半:「もう伸びしろがない」で昇給停止
- 40代:「若い人の方が...」で減給圧力
どの年代でも昇給しない理由を作り出すのが、搾取企業の特徴です。
原因3:不透明な評価制度
- 「総合的に判断」→ 基準が不明
- 「協調性」「積極性」→ 数値化できない
- 「会社への貢献度」→ 測定方法なし
- 「上司の裁量」→ 好き嫌いで決まる
【評価と昇給の断絶】
高評価でも昇給額は雀の涙(年5,000円など)。評価制度は昇給しないためのアリバイ作りに過ぎません。
原因4:転職を恐れさせる洗脳
- 「うちを辞めても通用しない」
- 「転職しても給料は下がる」
- 「石の上にも三年」
- 「忠誠心がない奴は評価しない」
これらは全て、安い給料で働かせ続けるための脅しです。
昇給交渉が失敗する理由
企業側の昇給拒否テクニック
- 「来期の予算で検討する」
- 「決算後に相談しよう」
- 「もう少し実績を見てから」
2. 責任転嫁作戦
- 「君の成果がまだ不十分」
- 「他のメンバーとのバランスが」
- 「会社の業績が回復したら」
3. 感情に訴える作戦
- 「お金だけが全てじゃない」
- 「やりがいを大切にしよう」
- 「仲間を裏切るのか」
4. 脅迫作戦
- 「文句があるなら辞めてもいい」
- 「代わりはいくらでもいる」
- 「昇給を要求する奴は評価を下げる」
昇給交渉の成功率データ
- 昇給交渉の実施率:23%(4人に1人以下)
- 交渉成功率:12%
- 希望額達成率:3%
- 交渉後の関係悪化:67%
つまり、昇給交渉はほぼ失敗し、職場での立場も悪くなるのが現実です。
実例:給料が上がらない地獄からの脱出
事例1:7年目で手取り22万円から脱出(29歳・男性)
- 入社時:月給23万円(手取り18万円)
- 3年目:月給25万円(手取り20万円)
- 5年目:月給26万円(手取り20.5万円)
- 7年目:月給28万円(手取り22万円)【保有スキル】
- Java、Python、Go
- AWS、GCP
- Docker、Kubernetes
- チームリーダー経験
【昇給交渉の結果】
「君はまだ若いから」「実力が足りない」「会社の業績が...」
→ 7年で月給5万円しか上がらず
【転職活動】
- 市場価値診断:年収600-700万円
- 応募企業数:8社
- 内定:4社
- 最終的な転職先:年収650万円
【結果】
- 年収:350万円→650万円(+300万円)
- 手取り:22万円→42万円(ほぼ2倍)
- 「なぜ7年も我慢したのか...」
【本人のコメント】
「会社は『お前の実力不足』と言い続けましたが、転職したら『なぜ前職はこんな優秀な人材を安く使っていたのか』と驚かれました。給料は会社が決めるもので、実力とは関係なかったんです。」
事例2:10年目で年収400万円の異常性に気づく(32歳・女性)
- 新卒入社:年収280万円
- 5年目:年収350万円(+70万円/5年)
- 10年目:年収400万円(+50万円/5年)【会社の言い分】
- 「女性は結婚したら辞めるから」
- 「技術職は男性の方が向いている」
- 「うちの会社では高い方だよ」
【転職を決意した瞬間】
同期の男性が転職で年収800万円になったと聞いた時
【転職結果】
- 外資系IT企業へ転職
- 年収:400万円→750万円
- ポジション:シニアエンジニア
- 「性別関係なく実力で評価される」
【メッセージ】
「10年間、『これが普通』と思い込まされていました。転職して初めて、いかに搾取されていたか分かりました。」
事例3:昇給1万円に絶望して退職代行(27歳・男性)
5年目の昇給面談
- 1年間の成果:基幹システム刷新、障害ゼロ
- 上司の評価:「非常に優秀」
- 昇給額:月額1万円【退職を申し出た時の反応】
- 「恩知らず」「裏切り者」
- 「どこに行っても同じ」
- 「お前なんか雇う会社はない」
【退職代行利用】
- パワハラに耐えられず退職代行
- 即日退職、有給消化
- 転職活動に専念
【3ヶ月後】
- Web系企業に転職
- 年収:380万円→580万円
- 「昇給1万円で喜べと言われたのが嘘みたい」
適正年収を知る方法
市場価値診断ツールの活用
- 転職サイトの年収診断
- 簡単な質問で概算把握
- 複数サイトで比較 - 求人票の確認
- 自分のスキルに近い求人
- 提示年収レンジを確認 - エージェント相談
- プロによる正確な査定
- 業界動向も含めた分析 - 同業他社の年収調査
- OpenWork、転職会議
- 同年代・同スキルの年収
多くの場合、現在の年収より30-100%高い結果が出ます。
スキル別の適正年収目安(2024年版)
- React/Vue.js:550-700万円
- TypeScript追加:+50万円
■ バックエンド
- Java/Spring:600-750万円
- Python/Django:600-750万円
- Go:650-800万円
■ インフラ・クラウド
- AWS/GCP:650-850万円
- Kubernetes:700-900万円
■ 複合スキル
- フルスタック:700-900万円
- DevOps:750-950万円
あなたの年収は適正ですか?
給料が上がらない会社の見分け方
入社前に分かる危険信号
- □ 年収例に幅がありすぎる(300-700万円など)
- □ 「昇給あり」だけで具体例なし
- □ みなし残業代が異常に多い
- □ 賞与が業績連動(0の可能性)
- □ 平均年齢と平均年収が低い
- □ 離職率・平均勤続年数非公開
3つ以上該当したら昇給は期待できません。
在職中に確認すべきポイント
- 先輩の年収推移を聞く
- 評価制度の詳細を確認
- 昇給実績を数値で要求
- 10年後の年収モデルを確認
曖昧な回答しかない場合、将来性はありません。
転職で年収を上げる戦略
年収アップ転職の成功法則
- 現職での実績を数値化
- コスト削減額
- 生産性向上率
- 障害削減数 - 市場価値の正確な把握
- 複数の診断ツール利用
- エージェント3社以上相談 - スキルの可視化
- GitHub活用
- 技術ブログ
- 資格取得 - 複数内定での交渉
- 最低3社の内定獲得
- 競合他社の提示額を材料に - タイミングの最適化
- ボーナス後の転職
- 需要期(1-3月、7-9月)
この戦略で年収30-100%アップが現実的です。
年収交渉のテクニック
「現在の年収が低いので、上げてください」
OK例:
「私のスキルと経験から、市場価値は600-700万円と認識しています。御社での貢献を考慮し、650万円を希望します」
【交渉のポイント】
- 市場価値を根拠にする
- 貢献できる価値を明確化
- 他社の提示額を伝える
- 入社後の成果にコミット
退職代行を使うべきケース
給料問題での退職で揉めるパターン
- 安い給料で働く人材を失いたくない
- 代替人材はもっと高コスト
- 他の社員への波及効果を恐れる
- 搾取構造がバレることを恐れる
【よくある引き止め・脅し】
- 「給料を上げるから残ってくれ」(口約束)
- 「恩知らず」「裏切り者」(感情的な攻撃)
- 「どこに行っても通用しない」(自信を奪う)
- 「損害賠償する」(法的な脅し)
精神的に消耗する前に退職代行の利用を検討しましょう。
退職代行のメリット
- 感情的な対立を避けられる
- 「給料上げる」の口約束に惑わされない
- 有給消化で実質的な収入確保
- 転職活動に専念できる
- 精神的ストレスから解放
よくある質問:エンジニアの給料問題
Q1:本当に転職で給料は上がる?
Q2:スキル不足で給料が低いのでは?
- A社:Java経験3年で年収350万円
- B社:Java経験3年で年収600万円
スキルの問題ではなく、会社の給与体系の問題です。
Q3:転職回数が増えると不利では?
まとめ:あなたの価値は今の給料の2倍以上
エンジニアの給料が上がらない問題について解説してきました。重要なポイントは:
- 5年目で年収400万円以下は明らかに搾取
- 給料は実力ではなく会社の構造で決まる
- 昇給交渉はほぼ失敗する
- 転職で年収30-100%アップは現実的
- 市場価値を知ることが第一歩
「給料に不満を言うな」「金だけが全てじゃない」「やりがいが大切」
これらは全て、安い給料で働かせるための詭弁です。
エンジニアは高度な専門職です。その価値に見合った報酬を得るのは当然の権利です。
- 3年以上昇給していない(または年1万円以下)
- 5年目で年収400万円以下
- 10年目で年収600万円以下
- 後輩と給料がほぼ同じ
- 昇給交渉を拒否された
- 生活が苦しい
【次のステップ】
1. 市場価値診断を受ける
2. 転職サイトに登録
3. エージェントに相談
4. 現職の退職準備
5. 適正年収での転職実現
あなたの本当の価値は、今の給料の2倍以上あるかもしれません。
安売りする必要はありません。
5年後、10年後の自分のために、今行動を起こしてください。
明光キャリアパートナーズなら、あなたの市場価値を正確に診断し、適正年収での転職を実現します。
給料の安さに悩む日々から、解放される時が来ました。