インフラ出身者が"書けるエンジニア"になるまでに選ぶべき教材7選

 

この記事で分かること

  • インフラエンジニアがプログラミングを学ぶべき理由
  • インフラ経験を活かせるプログラミング分野
  • 効率的に学習できる厳選教材7選
  • 3-6ヶ月で実務レベルに到達する学習計画
  • インフラ×開発スキルの市場価値
  • 実際にキャリアチェンジに成功した事例

 

目次

なぜ今、インフラエンジニアがコードを書くべきなのか

「インフラの仕事は自動化で減っていく」「コードが書けないと市場価値が下がる」そんな不安を感じていませんか?実は、インフラ×開発スキルを持つエンジニアの需要が急増しています。

 

インフラエンジニアを取り巻く環境の変化

市場動向データ(2024年)

  • クラウド移行率:国内企業の68%が利用
  • IaCツール利用率:45%(前年比+15%)
  • DevOps採用企業:62%が推進中
  • SRE求人数:前年比220%増
  • インフラ×開発の平均年収:680万円

求められるスキルの変化

  • 手動構築 → コードによる自動化
  • GUI操作 → CLI/API操作
  • 個別管理 → 統合監視・自動復旧
  • 定期メンテ → CI/CDパイプライン

 

インフラエンジニアがプログラミングを学ぶ5つのメリット

  1. キャリアの選択肢が3倍に増える
    SRE、DevOpsエンジニア、クラウドアーキテクトへの道
  2. 年収100-200万円アップが現実的
    インフラのみ:550万円 → インフラ×開発:700万円
  3. 作業効率が劇的に向上
    手作業1日 → スクリプト実行5分
  4. トラブルシューティング力の向上
    ログ解析、自動診断ツールの開発
  5. 最新技術へのキャッチアップ
    Kubernetes、サーバーレス、マイクロサービス

 

Infrastructure as Code時代の必須スキル

今すぐ習得すべき技術スタック

  • 構成管理:Terraform、CloudFormation
  • 構成自動化:Ansible、Chef、Puppet
  • コンテナ:Docker、Kubernetes
  • CI/CD:Jenkins、GitLab CI、GitHub Actions
  • 監視・可観測性:Prometheus、Grafana、Datadog
  • プログラミング:Python、Go、Shell Script

 

インフラ経験者の強みと課題

インフラエンジニアの隠れた強み

実はインフラエンジニアは、プログラミング学習において多くのアドバンテージを持っています。

すでに身についている強み

  • システム全体の理解
    OS、ネットワーク、ストレージの知識は開発でも必須
  • トラブルシューティング能力
    デバッグやエラー解析のスキルが直接活きる
  • セキュリティ意識
    脆弱性対策、アクセス制御の重要性を理解
  • パフォーマンス最適化
    リソース管理、ボトルネック分析の経験
  • ドキュメント作成能力
    手順書作成の経験がコード可読性に繋がる

 

インフラ出身者が直面する3つの壁

  1. プログラミング的思考への転換
    手順的思考から抽象化・再利用の思考へ
  2. 開発環境構築の違い
    IDE、デバッガー、リンター等の新しいツール
  3. アプリケーション層の理解
    フレームワーク、ライブラリ、デザインパターン

 

インフラ経験を開発に活かす具体例

Linux知識の活用

  • シェルスクリプト → Python/Bashの自動化スクリプト
  • プロセス管理 → マルチスレッドプログラミング
  • ファイルシステム → 効率的なファイルI/O処理

ネットワーク知識の活用

  • TCP/IP → ソケットプログラミング
  • HTTP/HTTPS → RESTful API開発
  • ロードバランサー → 分散システム設計

データベース知識の活用

  • SQL → ORMを使った効率的なクエリ
  • インデックス設計 → パフォーマンスチューニング
  • バックアップ → データ永続化戦略

 

学習言語の選び方:Python vs Go vs JavaScript

インフラエンジニアに最適な言語比較

言語 学習難易度 インフラ親和性 将来性 年収相場
Python ★★★★★ ★★★★★ ★★★★☆ 600万円
Go ★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★★★ 700万円
JavaScript ★★★★☆ ★★☆☆☆ ★★★★★ 580万円

 

Python:インフラエンジニアの第一選択

  • メリット:学習コスト最小、豊富なライブラリ、自動化に最適
  • 用途:自動化スクリプト、監視ツール、データ分析
  • 習得期間:基礎1ヶ月、実用3ヶ月
  • おすすめ度★★★★★(最初の1言語として最適)

 

Go:クラウドネイティブ時代の必須言語

  • メリット:高速実行、並行処理、Kubernetes関連
  • 用途:マイクロサービス、CLI開発、システムツール
  • 習得期間:基礎2ヶ月、実用4ヶ月
  • おすすめ度:★★★★☆(2言語目として推奨)

 

JavaScript:フルスタックへの道

  • メリット:フロントエンド開発、Node.jsでバックエンドも
  • 用途:Web開発、サーバーレス、監視ダッシュボード
  • 習得期間:基礎1.5ヶ月、実用4ヶ月
  • おすすめ度:★★★☆☆(Web系に興味があれば)

 

厳選教材7選:段階別学習リソース

教材1:Python自動化まるごとレシピ(入門)

「退屈なことはPythonにやらせよう」

  • 価格:3,500円(書籍)
  • 学習期間:2-3週間
  • 特徴:実務直結の自動化サンプル満載
  • 学べること:ファイル操作、Excel操作、Web スクレイピング

インフラエンジニアへの効果:
日常業務の自動化から始められるため、即座に業務改善を実感できる。モチベーション維持に最適。

 

教材2:Udemy「Python + AWS Lambda 実践講座」(基礎)

サーバーレスで学ぶモダン開発

  • 価格:2,400円(セール時)
  • 学習期間:1ヶ月
  • 特徴:インフラ知識を活かしたサーバーレス開発
  • 学べること:Lambda、API Gateway、DynamoDB連携

選定理由:
AWSの知識を活かしながらプログラミングを学べる。インフラとコードの架け橋となる内容。

 

教材3:「Infrastructure as Code」(O'Reilly)(中級)

IaCの決定版教科書

  • 価格:5,000円
  • 学習期間:1.5ヶ月
  • 特徴:Terraform、Ansible実践
  • 学べること:宣言的記述、冪等性、GitOps

到達レベル:
インフラをコードで管理し、CI/CDパイプラインに組み込めるレベルに到達。

 

教材4:「Go言語によるWebアプリケーション開発」(中級)

実践的なGo開発を学ぶ

  • 価格:3,800円
  • 学習期間:2ヶ月
  • 特徴:実際のWebサービス構築
  • 学べること:HTTPサーバー、DB連携、並行処理

次のステップ:
Kubernetesオペレーター開発、Prometheusエクスポーター作成へ発展可能。

 

教材5:「Kubernetes完全ガイド」(上級)

コンテナオーケストレーションの極意

  • 価格:4,400円
  • 学習期間:2ヶ月
  • 特徴:実践的なマニフェスト作成
  • 学べること:YAML記述、Helm、カスタムコントローラー

キャリアインパクト:
Kubernetes + プログラミングスキルで年収800万円以上も現実的に。

 

教材6:GitHub Learning Lab(実践)

実践的なGitOps/DevOps

  • 価格:無料
  • 学習期間:継続的
  • 特徴:実際のリポジトリで学習
  • 学べること:GitHub Actions、CI/CD、IaC実践

活用方法:
実際の業務で使うワークフローを構築しながら学習。即実務適用可能。

 

教材7:「SREサイトリライアビリティエンジニアリング」(発展)

Google発のSRE実践書

  • 価格:5,280円
  • 学習期間:3ヶ月(じっくり読む)
  • 特徴:SREの思想と実践方法
  • 学べること:SLI/SLO、エラーバジェット、トイル削減

キャリアゴール:
インフラ×開発の究極形であるSREとして、年収1000万円クラスを目指せる。

 

インフラ知識を活かせる開発分野

SRE(Site Reliability Engineering)

最も需要が高い分野

  • 必要スキル:Python/Go、監視、自動化、統計
  • 平均年収:750万円
  • 求人数:前年比220%増
  • 代表企業:Google、メルカリ、LINE

インフラ経験の活かし方:

  • 障害対応経験 → インシデント管理の自動化
  • 監視設計 → SLI/SLOの設定と改善
  • キャパシティプランニング → オートスケーリング実装

 

DevOpsエンジニア

  • CI/CDパイプライン構築:Jenkins、GitLab CI
  • インフラ自動化:Terraform、Ansible
  • コンテナ化:Docker、Kubernetes
  • 監視・ログ分析:ELK Stack、Prometheus
  • 平均年収:680万円

 

クラウドアーキテクト

設計と実装の両方ができる人材

  • クラウドネイティブアプリケーション設計
  • マイクロサービスアーキテクチャ
  • サーバーレスアーキテクチャ
  • コスト最適化の自動化
  • 平均年収:800万円

 

セキュリティエンジニア(DevSecOps)

  1. 脆弱性スキャンの自動化
  2. セキュアコーディング
  3. SAST/DAST実装
  4. コンプライアンス自動化
  5. 平均年収:720万円

 

3ヶ月学習ロードマップ:週次計画

【1ヶ月目】Python基礎とシェルスクリプト改善

Week 1-2:Python環境構築と基礎文法

  • Python環境構築(pyenv、venv)
  • 基本文法(変数、制御構造、関数)
  • 既存シェルスクリプトをPythonに書き換え
  • 成果物:ログ解析スクリプト

Week 3-4:実務で使えるPython

  • ファイル操作、正規表現
  • 外部コマンド実行(subprocess)
  • エラーハンドリング
  • 成果物:サーバー情報収集ツール

学習時間:平日2時間、週末5時間(週20時間)

 

【2ヶ月目】自動化とAPI連携

Week 5-6:API操作とクラウド連携

  • requests、boto3でAWS操作
  • REST API呼び出し
  • JSONデータ処理
  • 成果物:EC2自動起動停止ツール

Week 7-8:監視・通知の自動化

  • Slack、メール通知
  • 定期実行(cron、schedule)
  • ログ監視と異常検知
  • 成果物:異常検知通知システム

 

【3ヶ月目】IaCとCI/CD実装

  1. Week 9-10:Terraform実践
    AWS/GCPリソースのコード化、モジュール化
  2. Week 11-12:CI/CDパイプライン構築
    GitHub Actions、自動テスト、自動デプロイ

 

6ヶ月でフルスタックエンジニアになる方法

4-6ヶ月目:応用と実践

4ヶ月目:コンテナとオーケストレーション

  • Docker:イメージ作成、最適化
  • docker-compose:マルチコンテナ
  • Kubernetes:基本操作、マニフェスト作成

5ヶ月目:Go言語とマイクロサービス

  • Go基礎:並行処理、チャネル
  • HTTPサーバー実装
  • gRPC、プロトコルバッファ

6ヶ月目:統合プロジェクト

  • マイクロサービス構築
  • 完全自動化されたCI/CD
  • 監視・ログ収集基盤

 

学習を加速させる5つのコツ

  1. 実務で即実践
    学んだことを翌日の業務で使う
  2. 小さく始める
    10行のスクリプトから徐々に拡張
  3. エラーを恐れない
    インフラのトラブルシュート経験を活かす
  4. コミュニティ活用
    インフラ×開発の勉強会に参加
  5. アウトプット重視
    技術ブログ、GitHub公開で定着

 

キャリアチェンジ成功事例と年収推移

事例1:オンプレ運用→SREへ(32歳・男性)

Yさんのキャリアパス

  • Before:データセンター運用(年収480万円)
  • 学習期間:6ヶ月(Python→Go→Kubernetes)
  • After:メガベンチャーSRE(年収720万円)

成功要因:

  • 障害対応経験を自動復旧システムに活かす
  • Python で監視ツールを自作してポートフォリオに
  • SREの勉強会で人脈構築

インフラの知識があったから、SREの概念がすぐ理解できた」(Yさん)

 

事例2:ネットワークエンジニア→DevOps(28歳・女性)

Zさんのキャリアパス

  • Before:ネットワーク構築・運用(年収450万円)
  • 学習期間:4ヶ月(Python→Ansible→Terraform)
  • After:SaaS企業DevOps(年収600万円)

転職活動:

  • ネットワーク自動化の実績をアピール
  • Terraform でマルチクラウド環境構築
  • 女性エンジニアコミュニティで情報収集

手作業が自動化される喜びは格別」(Zさん)

 

事例3:サーバー管理者→クラウドアーキテクト(35歳・男性)

AAさんのキャリアパス

  • Before:オンプレサーバー管理(年収520万円)
  • 学習期間:5ヶ月(Python→サーバーレス→IaC)
  • After:外資系クラウドアーキテクト(年収850万円)

差別化ポイント:

  • オンプレ→クラウド移行の実務経験
  • コスト最適化スクリプトで年間1000万円削減
  • AWS認定資格を全取得

インフラ+コードで市場価値が跳ね上がった」(AAさん)

 

学習でつまずきやすいポイントと対策

つまずきポイント1:オブジェクト指向の理解

問題:
クラス、継承、ポリモーフィズムなどの概念が理解できない対策:

  • サーバーをクラス、設定を属性として考える
  • Ansibleのロールを継承の例として理解
  • 小さなクラスから始めて徐々に拡張

具体例:
```python
class Server:
def __init__(self, hostname, ip):
self.hostname = hostname
self.ip = ip

def restart(self):
# サーバー再起動処理
```

 

つまずきポイント2:非同期処理

  • 問題:async/await、Promise の概念が分からない
  • 対策:並列SSH接続をイメージ
  • 実践:複数サーバーへの同時処理から始める

 

つまずきポイント3:デバッグ方法

インフラ経験を活かしたデバッグ

  • ログ解析スキル → print文デバッグ
  • tcpdump経験 → デバッガーでの変数監視
  • トラブルシューティング → エラーメッセージ解析

おすすめツール:

  • Python:pdb、ipdb
  • Go:delve
  • IDE:VSCode のデバッグ機能

 

モチベーション維持の方法

  1. 小さな成功体験を積む
    日々の業務改善スクリプトで効果を実感
  2. 学習記録を可視化
    GitHubの草、学習時間グラフ
  3. 仲間を見つける
    インフラ→開発の転向者コミュニティ
  4. 給与アップを計算
    スキル習得後の年収を具体的にイメージ

 

まとめ:Infrastructure as Codeから始まる新キャリア

インフラエンジニアがプログラミングを学ぶことは、キャリアの可能性を大きく広げます。インフラの深い知識とコーディングスキルの組み合わせは、市場で最も求められる人材です。

 

インフラ×開発の成功方程式成功 = (インフラ知識 × プログラミングスキル) + 自動化思考 + 継続学習

この方程式が示すように、すでに持っているインフラ知識を土台に、プログラミングスキルを掛け合わせることで、exponentialなキャリア成長が可能です。

 

インフラエンジニアがコードを書く5つの価値

  1. 効率化の実現者
    手作業を自動化し、チーム全体の生産性向上
  2. 信頼性の守護者
    SREとして99.99%の可用性を実現
  3. コスト削減の立役者
    最適化スクリプトで数千万円のコスト削減
  4. イノベーションの推進者
    新技術導入をリードする存在に
  5. 高年収の実現者
    インフラのみ550万円→インフラ×開発750万円

 

今日から始める3つのアクション

Step1:環境準備(今日)

  • Python環境構築(30分)
  • VSCodeインストール(15分)
  • GitHubアカウント作成(15分)

Step2:最初のコード(今週)

  • 既存シェルスクリプトをPythonに書き換え
  • 簡単な自動化スクリプト作成
  • GitHubにpush

Step3:学習計画(今月)

  • 教材購入(Python本、Udemy講座)
  • 週20時間の学習時間確保
  • 3ヶ月後の目標設定

 

最後に:あなたのインフラ経験は最強の武器

「プログラミングなんて今更...」
「若い人には勝てない...」
「インフラだけで十分では...」

そんな不安は今日で終わりにしましょう。

 

OS、ネットワーク、セキュリティ、トラブルシューティング...
あなたが持つこれらの知識は、開発者の多くが持っていない貴重な財産です。

 

そこにプログラミングスキルを加えることで、
他の誰にも真似できない、唯一無二のエンジニアになれます。

 

Infrastructure as Codeは、単なる流行りではありません。
これからのインフラエンジニアの標準スキルです。

 

自動化、効率化、最適化。
これらを実現するコードを書けるようになったとき、
あなたの市場価値は飛躍的に向上します。

 

始めるのに遅すぎることはありません。インフラの知識という強固な土台の上に、
プログラミングという新しい武器を加える。

それが、これからの時代を生き抜く最強の戦略です。

さあ、"書けるインフラエンジニア"への第一歩を踏み出しましょう。

 

3ヶ月後、あなたは自動化スクリプトを書いているでしょう。
6ヶ月後、CI/CDパイプラインを構築しているでしょう。
1年後、SREやDevOpsエンジニアとして活躍しているでしょう。

その輝かしい未来は、今日のpython hello.pyから始まります。

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