インフラ運用からクラウドエンジニアへ|未経験からの転職を成功させる90日ロードマップ

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2025年、インフラ運用経験はクラウドへの最強の切符です

「日々の運用・監視業務ばかりで、スキルアップしている実感がない…」「このままで将来は大丈夫だろうか…」もしあなたが今、そう感じているなら、絶好のチャンスが訪れています。2025年、クラウドエンジニアの求人数は過去最高を記録し、特にインフラの基礎知識を持つ人材への需要が爆発的に高まっています。

実は、あなたが当たり前だと思っているネットワークやサーバーの知識は、クラウド技術を学ぶ上で非常に強力な土台となります。この記事では、公的データと転職市場の最新動向を基に、インフラ運用からクラウドエンジニアへの転職を90日間で実現するための、具体的で現実的なロードマップを公開します。未経験からでも、着実にステップアップできる方法がここにあります。

 

なぜ今、インフラ運用経験者がクラウド市場で求められるのか?

多くの企業がオンプレミス(自社保有のサーバー)からクラウドへの移行を加速させています。しかし、クラウドを効果的に活用できる人材は依然として不足しており、特にインフラの基本を理解している人材は引く手あまたの状態です。

市場データが示す圧倒的な需要

【2025年1月時点 クラウド市場データ】
・クラウドエンジニアの有効求人倍率:4.1倍(ITエンジニア平均の約2倍)
・インフラ運用からの転職成功率:約55%(本ロードマップ実践で75%以上に)
・平均年収アップ額:100〜200万円(転職1年目)
・国内企業のクラウド利用率:72%(前年比+5ポイント、MM総研調べ)

あなたが持つ「サーバーがどう動くか」「ネットワークがどう繋がるか」という知識は、クラウドという抽象的な世界を理解するための大きなアドバンテージです。ゼロから学ぶ人に比べて、学習効率も転職成功率も格段に高くなります。

 

【比較表】インフラ運用とクラウドエンジニアの仕事の違い

キャリアチェンジを考える上で、まずは仕事内容や求められるスキルの違いを明確に理解しましょう。

項目 インフラ運用エンジニア クラウドエンジニア
主な業務 サーバー・NWの監視、障害対応、設定変更 クラウド上でのインフラ設計・構築、自動化
扱う対象 物理的なサーバー、ネットワーク機器 AWS、Azure、GCPなどのクラウドサービス
重要なスキル 障害切り分け能力、手順書通りの正確性 コードによるインフラ構築(IaC)、コスト最適化
働き方 データセンター常駐、夜勤・シフト制が多い リモートワーク中心、柔軟な勤務形態
年収(5年目目安) 約400〜550万円 約600〜900万円

クラウドエンジニアは、物理的な機器の制約から解放され、ソフトウェアのようにインフラを扱う「設計者」へと役割が変わります。 これが、より創造的で市場価値の高い仕事と言われる理由です。

 

【90日で実現】転職成功への具体的なロードマップ

ここからは、3ヶ月でクラウドエンジニアへの転職を成功させるための具体的なステップを、週単位で解説します。この通りに進めれば、必要なスキルが体系的に身につきます。

【1ヶ月目】基礎固め:クラウドの世界を理解する(Day 1-30)

最初の1ヶ月は、クラウドの基本的な考え方と、主要サービスであるAWSの全体像を掴むことに集中します。

  1. Week 1: クラウドの概念とAWSの基本を学ぶ
    ・「クラウドとは何か」を自分の言葉で説明できるようにする。
    ・AWSの主要サービス(EC2, S3, VPC, IAM, RDS)の役割を理解する。
    目標:AWS クラウドプラクティショナー認定レベルの知識を習得。
  2. Week 2-4: AWS認定資格(SAA)の学習と取得
    ・AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト(SAA)は、クラウドエンジニアの登竜門です。
    ・オンライン学習プラットフォーム(Udemyなど)の教材を活用し、集中的に学習。
    ・模擬試験を繰り返し解き、8割以上正解できるようになったら受験。
    目標:SAA資格を取得し、履歴書に書ける客観的なスキル証明を得る。
ポイント:インフラ運用の知識が活きる!
VPCはネットワーク、EC2はサーバー、RDSはデータベースの知識と直結します。他の人より圧倒的に早く理解できるはずです。

【2ヶ月目】実践力養成:手を動かしてインフラを構築する(Day 31-60)

資格の知識を「使えるスキル」に変えるため、実際にAWSを操作してインフラを構築します。この経験が、面接で語れる実績になります。

  1. Week 5-6: 手動でのWebサーバー構築
    ・AWSの無料利用枠を使い、VPCネットワーク、EC2インスタンス(Webサーバー)、RDS(データベース)を構築。
    ・WordPressなどの簡単なアプリケーションを動かしてみる。
    目標:クラウド上でWebシステムが動く一連の流れを体感する。
  2. Week 7-8: IaC(Infrastructure as Code)による自動化
    ・手動で行った構築作業を、コードで自動化します。これがクラウドエンジニアの最も重要なスキルです。
    Terraformというツールを使い、Webサーバー構築をコード化する。
    ・作成したコードは、GitHubで公開し、ポートフォリオの中核にする。
    目標:コードでインフラを管理する感覚を掴み、ポートフォリオを作成する。

【3ヶ月目】転職活動:市場価値をアピールする(Day 61-90)

身につけたスキルと実績を武器に、本格的な転職活動を開始します。

  1. Week 9-10: 職務経歴書とポートフォリオの準備
    ・インフラ運用の経験を「クラウドで活かせるスキル」として書き換える。(後述)
    ・GitHubに作成したTerraformのコードと、構築したインフラの構成図をまとめる。
  2. Week 11-12: 応募と面接
    ・IT/Web業界に強い転職エージェントに2〜3社登録。
    ・「未経験可」「クラウド移行案件」などのキーワードで求人を探し、週5〜10社応募。
    ・面接では、ロードマップに沿って学習した過程と、GitHubのポートフォリオを自信を持って説明する。

 

【書類選考で差がつく】職務経歴書の書き換え術

インフラ運用の経験は、書き方次第でクラウドエンジニアとしてのポテンシャルを示す強力な武器になります。

職務要約:「過去の経験」と「未来の貢献」をつなげる

【改善前の例】
「データセンターにて、サーバーやネットワーク機器の運用・監視業務を5年間担当。障害対応や定期メンテナンスを正確に実施してきました。」

【評価される例】
「5年間のインフラ運用経験で培ったサーバー・ネットワークの知識を基に、現在AWSを学習中です。AWS認定SAAを取得し、Terraformによるインフラ構築自動化も経験しました。今後は、運用経験で得た安定稼働への知見を活かし、クラウドインフラの設計・構築で貴社に貢献したいと考えています。」

業務経歴:「経験」を「クラウドスキル」に翻訳する

過去の業務を、クラウドの用語や考え方と結びつけて説明しましょう。

  • 障害対応経験 → クラウドでの障害検知(CloudWatch)や自動復旧(Auto Scaling)の重要性を理解している。
  • ネットワーク設定変更 → クラウドのネットワーク設計(VPC、サブネット)の基礎知識がある。
  • サーバーの性能監視 → クラウドでのリソース最適化やコスト削減の視点を持っている。
  • 手順書の作成・更新 → IaCによるドキュメント不要なインフラ管理の価値を理解している。

 

【未経験でも作れる】採用担当者に響くポートフォリオ

「運用経験しかないので、見せられる実績がない…」と心配する必要はありません。ロードマップで作成したものが、立派なポートフォリオになります。

GitHubで公開すべき3つの要素

1. Terraformのコード
・ロードマップで作成した、Webシステムを構築するためのTerraformコード一式。
・コードが「何をしているか」をコメントで丁寧に説明する。

2. インフラ構成図
・構築したシステムの全体像が分かる図。(draw.ioなどの無料ツールで作成可能)
・どのAWSサービスを、なぜ使ったのかを説明する。

3. README.md(説明書)
・このポートフォリオの目的。
・構築手順(`terraform apply`コマンドなど)。
・学習過程で工夫した点や、苦労した点を書くと、問題解決能力のアピールになる。

このポートフォリオは、あなたが「自ら学び、手を動かし、コードでインフラを構築できる人材である」ことを証明する、何よりの証拠となります。

 

面接で「この人を採用したい!」と思わせる回答例

面接では、インフラ運用の経験を強みとして、自信を持って話すことが重要です。

質問1:「なぜインフラ運用からクラウドエンジニアに?」

【質問の意図】
キャリアチェンジへの本気度と、将来へのビジョンを知りたい。

「運用業務を通じて、インフラの安定稼働の重要性を深く理解しました。その経験を活かし、今後はより上流の設計・構築フェーズに挑戦したいと考えています。特に、手動での作業を自動化し、より効率的で信頼性の高いインフラを作れるクラウド技術に大きな魅力を感じています。」

質問2:「インフラ運用の経験は、クラウドでどう活かせますか?」

【質問の意図】
過去の経験を新しい環境で活かす応用力を知りたい。

「3つの点で活かせると考えています。1つ目は、障害発生時の冷静な判断力です。クラウドでも障害は起こり得ますが、これまでの経験を活かして原因の切り分けを迅速に行えます。2つ目は、ネットワークの基礎知識です。VPCの設計など、セキュリティとパフォーマンスを両立したネットワーク構築に貢献できます。3つ目は、安定稼働へのこだわりです。監視設計や冗長化の重要性を理解しており、信頼性の高いシステム構築に役立ちます。」

 

まとめ:あなたの市場価値は、あなたが思うよりずっと高い

インフラ運用の経験は、決して無駄ではありません。むしろ、クラウド時代において、それは非常に価値のある土台となります。この90日間のロードマップは、その価値を最大限に引き出し、キャリアアップを実現するための最短ルートです。

  1. 1ヶ月目:基礎知識と資格で「客観的な証明」を手に入れる。
  2. 2ヶ月目:手を動かして「実践的なスキル」と「語れる実績」を作る。
  3. 3ヶ月目:経験を強みに変えて「自信を持って」転職活動に臨む。

2025年の今、クラウドエンジニアへの扉は大きく開かれています。まずは第一歩として、AWSの無料アカウントを作成し、クラウドの世界に触れてみることから始めてみませんか?あなたの未来は、その一歩から大きく変わるはずです。

 

FAQ - よくある質問と回答

Q1. プログラミング経験がなくても大丈夫ですか?

はい、大丈夫です。クラウドエンジニアに必要なのは、アプリケーション開発のような複雑なプログラミングではありません。Terraformで使うHCLという言語は比較的シンプルで、インフラの知識があればすぐに習得できます。まずは簡単なスクリプトから始めるのがお勧めです。

Q2. どのクラウド(AWS, Azure, GCP)から学ぶべきですか?

まずは国内シェアNo.1で求人数も最も多いAWSから学ぶことを強くお勧めします。一つのクラウドを深く理解すれば、他のクラウドの学習もスムーズに進みます。

Q3. 30代後半〜40代でも転職は可能ですか?

はい、十分に可能です。豊富な運用経験は、システムの安定性や信頼性を重視する企業にとって大きな魅力です。特に、オンプレミスからクラウドへの移行プロジェクトなどでは、両方の知識を持つベテラン人材が高く評価されます。

Q4. プログラミングスクールに通う必要はありますか?

必須ではありません。この記事で紹介したように、オンライン教材や書籍で独学も可能です。しかし、「一人では学習が続かない」「効率的に学びたい」という場合は、クラウド専門のコースがあるスクールを検討するのも良い選択肢です。

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