SES企業から抜け出せないエンジニアの退職代行活用法

目次

この記事で分かること

  • SES企業が退職を阻止する手口と違法性
  • 客先常駐中でも法的に退職できる根拠
  • 損害賠償請求の脅しが無効な理由
  • 退職代行を使った即日退職の実例
  • SESから脱出して年収アップした事例

 

SES地獄から抜け出せない現実

「プロジェクトが終わるまで待ってくれ」「客先との契約があるから今は辞められない」「損害賠償を請求することになる」

SES企業で働くエンジニアの多くが、退職を申し出た際にこのような言葉で引き止められています。2024年の調査によると、SESエンジニアの68%が「退職したいのに辞められない」と回答しています。

客先常駐という特殊な働き方により、通常の会社員以上に退職が困難になっているのがSES業界の実態です。しかし、法的にはどんな状況でも退職の自由は保障されています

本記事では、SES企業の退職阻止の手口を暴き、退職代行サービスを活用して安全かつ確実に退職する方法を詳しく解説します。

 

SES企業が使う退職阻止の手口と違法性

手口1:「プロジェクト終了まで待て」の無限ループ

【実際にあった事例】
28歳のAさんは、3ヶ月前に退職を申し出ました。
- 1回目:「今のプロジェクトがあと2ヶ月で終わるから」
- 2回目:「急遽延長になった。あと1ヶ月待って」
- 3回目:「次のプロジェクトが決まってしまった」
- 4回目:「後任が見つかるまで」結果:8ヶ月経っても退職できず、精神的に限界を迎えました。

【違法性の解説】

民法627条により、期間の定めのない雇用契約は、退職申し出から2週間で終了します。会社の都合で退職を延期させることは違法です。

 

手口2:「客先に迷惑がかかる」という精神的圧力

【よくある脅し文句】

  • 「お客様との信頼関係が崩れる」
  • 「会社の評判が下がって、他の社員に迷惑がかかる」
  • 「君のせいで契約解除になったら責任取れるのか」
  • 「IT業界は狭いから、悪い噂が広まるぞ」

これらは全てパワハラに該当する可能性があります。

【真実】

客先との契約は会社間の契約であり、個人の退職とは別問題です。人員の補充は会社の責任であり、退職する社員が負うものではありません。

 

手口3:損害賠償請求の脅し

【実際の脅し文句】
「今辞めたら、客先への違約金1000万円を請求する」
「プロジェクトの損失分を給与から天引きする」
「研修費用100万円を返還してもらう」【法的事実】
- 退職による損害賠償が認められた判例はほぼ存在しない
- 労働基準法16条で賠償予定の禁止が定められている
- 研修費用の返還義務も原則なし

 

手口4:有給消化の拒否

【SES企業の言い分】

  • 「客先常駐中は有給が取れない契約」
  • 「引き継ぎがあるから有給は使えない」
  • 「有給買取はしていない」
  • 「稼働率100%が条件だから無理」

【法的権利】
有給休暇は労働者の権利であり、会社は拒否できません(労働基準法39条)。

 

客先常駐中でも即日退職できる法的根拠

労働契約と業務委託契約の違いを理解する

SES企業で働くエンジニアの多くが誤解していますが、あなたと客先企業の間に直接の雇用関係はありません。

【契約関係の整理】

  1. あなた ⇔ SES企業:雇用契約(労働契約)
  2. SES企業 ⇔ 客先企業:業務委託契約(準委任契約)
  3. あなた ⇔ 客先企業:直接の契約関係なし

つまり、客先への義務はSES企業が負うものであり、あなた個人が責任を負う必要はありません。

 

民法627条による退職の自由

【民法627条の内容】
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」【重要ポイント】

  • 退職は労働者の一方的な意思表示で成立
  • 会社の承認は不要
  • 理由を問わず退職可能
  • 客先の都合は関係ない

 

やむを得ない事由による即日退職

以下の場合は、2週間を待たずに即日退職が可能です。

  1. 心身の不調:うつ病、適応障害等の診断書
  2. パワハラ・セクハラ:録音等の証拠があれば有効
  3. 違法な労働環境:偽装請負、多重派遣等
  4. 賃金未払い:給与や残業代の未払い

SES業界では、これらの「やむを得ない事由」に該当するケースが非常に多いのが実情です。

 

退職代行を使ったSES脱出の実例

事例1:プロジェクト炎上中に即日退職(29歳・男性)

【状況】
- 大手金融機関に客先常駐中
- プロジェクトが炎上し、月150時間の残業
- 退職を申し出るも「プロジェクト完了まで無理」と拒否
- 「今辞めたら損害賠償1億円」と脅される【退職代行利用の流れ】
1. 夜22時に退職代行サービスに相談
2. 翌朝9時に退職代行から会社へ連絡
3. 「体調不良により本日から出社不可」と通知
4. 有給14日分の消化を要求
5. 会社は抵抗するも、法的根拠を示され承諾

【結果】
- 即日から出社せず
- 有給消化で実質1ヶ月分の給与確保
- 2週間後に正式退職
- 損害賠償請求なし
- 現在は自社開発企業で年収650万円(+150万円)

 

事例2:4次請けSESから脱出(26歳・女性)

【状況】
- 元請け→1次→2次→3次→自社という4次請け
- 手取り18万円、客先への請求単価は80万円
- スキルアップの機会なし(Excel作業のみ)
- 「3年は我慢しろ」と言われ続ける【退職代行利用の決断理由】
- 上司が退職届を受け取らない
- 「お前なんか他で通用しない」と人格否定
- 有給を1日も使わせてもらえない

【結果】
- 退職代行利用で即日退職
- 有給20日分を消化
- 離職票等の書類も問題なく受領
- 3ヶ月後にWeb系企業へ転職(年収420万円)
- 「もっと早く辞めればよかった」

 

事例3:偽装請負の証拠を持って退職(31歳・男性)

【状況】
- 客先の社員から直接指示を受ける偽装請負状態
- 客先の就業規則に従わされる
- 実質的に客先の社員として扱われる
- SES企業は「契約だから仕方ない」【退職代行+労働問題対応】
1. 偽装請負の証拠を収集(メール、録音等)
2. 弁護士連携の退職代行サービスを利用
3. 違法状態を理由に即日退職
4. 未払い残業代180万円の請求も同時実施

【結果】
- 即日退職成功
- 未払い残業代全額回収
- 会社は労基署の調査を恐れて全面的に応じる
- 現在はフリーランスとして月収70万円

 

SES企業への退職代行利用の具体的な流れ

STEP1:事前準備(1-3日)

【準備すべきもの】

  • 雇用契約書のコピー
  • 給与明細(直近3ヶ月分)
  • 有給残日数の確認
  • 会社支給品のリスト作成
  • 私物の持ち帰り(さりげなく)
  • パワハラ等の証拠(あれば)

【客先常駐特有の準備】

  • 客先のセキュリティカード
  • 客先から借りているPC・備品
  • 客先のメールアカウント情報
  • 業務の引き継ぎ資料(最低限)

 

STEP2:退職代行サービスの選定

SES企業の退職には、以下の条件を満たすサービスを選びましょう。

  1. 弁護士監修または弁護士対応
    - 損害賠償の脅しに対抗できる
    - 未払い残業代の請求も可能
  2. 即日対応可能
    - 精神的に限界の場合は即日対応が重要
  3. 返金保証あり
    - 万が一失敗した場合の保証
  4. アフターフォロー充実
    - 離職票の受け取りサポート等

 

STEP3:退職代行への相談(当日)

【伝えるべき情報】

  • SES企業で客先常駐中であること
  • 現在のプロジェクト状況
  • 会社から言われている退職阻止の理由
  • 有給の残日数
  • 希望する退職日
  • 会社からの脅しや圧力の内容

多くの退職代行サービスはSES企業の対応に慣れています

 

STEP4:退職実行(翌営業日)

【退職代行の対応】
1. 朝一番に会社へ電話連絡
2. 退職の意思を通知
3. 即日から出社しないことを伝達
4. 有給消化の要求
5. 必要書類の送付依頼
6. 会社からの連絡は全て代行業者へ【あなたがすること】
- 会社からの電話に出ない
- 客先からの連絡も無視してOK
- 退職代行からの指示に従う

 

STEP5:退職後の手続き(2週間後)

  • 離職票の受け取り
  • 源泉徴収票の受け取り
  • 雇用保険被保険者証の受け取り
  • 年金手帳の返却(会社保管の場合)
  • 健康保険の切り替え手続き

退職代行サービスが書類の受け取りまでサポートしてくれます。

 

SES退職でよくある質問と回答

Q1:客先に迷惑がかかるのでは?

A:客先への対応はSES企業の責任です。あなたが客先に謝罪する必要はありません。そもそも、適切な人員配置ができていない会社側の問題です。優良なSES企業なら、常に代替要員を準備しているはずです。

 

Q2:損害賠償を本当に請求されない?

A:過去の判例を見ても、通常の退職で損害賠償が認められたケースはほぼありません。特に以下の理由があります:

  • 労働基準法16条で賠償予定の禁止が定められている
  • 退職の自由は憲法で保障された基本的人権
  • 会社側が損害額を立証することが極めて困難
  • 訴訟コストが賠償額を上回る

脅しは違法なパワハラ行為です。録音しておけば逆に慰謝料請求も可能です。

 

Q3:IT業界で悪い噂が広まらない?

A:この心配は杞憂です。理由:

  • 個人情報保護法により、退職理由の開示は制限される
  • IT業界は人材不足で、経歴より実力重視
  • SES以外の選択肢は無数にある
  • むしろブラック企業に居続ける方がキャリアに悪影響

年間数万人がSESから転職している現実があります。

 

Q4:引き継ぎしなくて大丈夫?

A:法的には引き継ぎ義務はありません。ただし、可能な範囲で引き継ぎ資料を作成しておくと、トラブルを避けやすくなります。

  • 最低限の引き継ぎ資料を作成
  • 退職代行経由で会社に送付
  • それ以上の対応は不要
  • 有給消化中の引き継ぎ対応も拒否可能

 

SESから脱出した後のキャリアパス

選択肢1:自社開発企業への転職

【メリット】

  • 自社サービスの開発に携われる
  • 技術選定の自由度が高い
  • エンジニアの地位が高い
  • 年収アップの可能性大(平均+150万円)

【転職成功率を上げる方法】
- ポートフォリオの作成
- GitHubでのコード公開
- 技術ブログの執筆
- 勉強会への参加

 

選択肢2:フリーランスエンジニア

【収入例】

  • Java(3年経験):月60-70万円
  • Python(3年経験):月65-75万円
  • React(2年経験):月70-80万円
  • AWS(2年経験):月75-85万円

SES時代の2-3倍の収入も現実的です。

 

選択肢3:受託開発企業(優良SIer)

  • 元請けや1次請けなら高待遇
  • プロジェクトマネジメントスキルが身につく
  • 大手企業との直接取引
  • 福利厚生が充実

 

選択肢4:社内SE

  • 客先常駐なし
  • 腰を据えて働ける
  • 業務知識が深まる
  • ワークライフバランス良好

 

退職代行サービスの選び方

SES退職に強い退職代行の特徴

【必須条件】

  1. 弁護士監修または弁護士運営
    - 法的トラブルに対応可能
    - 損害賠償請求への対抗
  2. IT業界の退職実績豊富
    - SES特有の問題を理解
    - 客先常駐の対応に慣れている
  3. 24時間対応
    - 深夜残業後でも相談可能
    - 緊急時の即対応
  4. 料金体系が明確
    - 追加料金なし
    - 返金保証あり

 

料金相場と費用対効果

【退職代行の料金相場】

  • 一般企業運営:2-3万円
  • 労働組合運営:2.5-3.5万円
  • 弁護士運営:5-10万円

【費用対効果の考え方】
- 有給20日消化で実質20万円以上の価値
- 精神科通院を防げれば医療費削減
- 次の転職で年収アップすれば即回収
- 精神的苦痛からの解放はプライスレス

 

今すぐSESから脱出すべき理由

時間が経つほど脱出が困難になる

  1. スキルの陳腐化
    - レガシー技術しか触れない
    - 市場価値が年々低下
  2. 精神的な疲弊
    - 退職する気力すら失う
    - うつ病リスクが上昇
  3. 年齢の壁
    - 35歳を超えると転職難易度上昇
    - フリーランスも案件が限定的に
  4. 給与格差の拡大
    - 同年代との年収差が開く一方
    - 生涯年収で1億円以上の差も

今日が人生で一番若い日です。決断を先延ばしにする理由はありません。

 

2024年は転職市場が活況

【エンジニア転職市場の現状】

  • 求人倍率:8.2倍(過去最高水準)
  • 平均年収:前年比+5.3%上昇
  • リモートワーク求人:全体の65%
  • 未経験可求人も増加中

SESで消耗している間に、チャンスを逃していることを認識しましょう。

 

まとめ:SESの呪縛から解放される決断を

SES企業での客先常駐は、エンジニアにとって多くの問題を抱えた働き方です。本記事で解説した通り:

  1. 退職を阻止する会社の言い分はほぼ全て違法
  2. 客先との契約を理由に退職を拒否することはできない
  3. 損害賠償請求は現実的にあり得ない
  4. 退職代行を使えば安全に即日退職可能
  5. SESから脱出すれば年収もキャリアも向上する

「プロジェクトが終わるまで」「後任が見つかるまで」という言葉に騙されて、貴重な時間を無駄にしている場合ではありません。

多くのエンジニアが退職代行を利用してSESから脱出し、より良いキャリアを築いています。あなたも例外ではありません。

 

【次の行動】もしあなたが以下のいずれかに当てはまるなら、今すぐ行動を起こすべきです:

  • 退職を申し出たが拒否された
  • 客先常駐で身動きが取れない
  • 損害賠償で脅されている
  • 精神的・肉体的に限界
  • このままでは将来が不安

退職代行サービスの多くは、無料相談を実施しています。
まずは相談だけでもしてみることをおすすめします。

相談は無料、そして秘密厳守です。

あなたの人生を、SES企業に支配される必要はありません。
今こそ、自由への一歩を踏み出す時です。

客先常駐の呪縛から解放され、本来のエンジニアとしてのキャリアを歩み始めましょう。

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