採用担当が高評価するGitHubポートフォリオの"必須3要素"&NG例

 

この記事で分かること

  • 採用担当がGitHubで実際にチェックしている項目
  • 高評価されるポートフォリオの必須3要素
  • 絶対に避けるべきNG例と改善方法
  • GitHubプロフィールの最適化方法
  • コミット履歴で実力を証明する方法
  • 実際に内定を勝ち取ったGitHub活用事例

 

目次

なぜGitHubが転職の決め手になるのか

「GitHubのポートフォリオって本当に見られているの?」と疑問に思っていませんか。実は、エンジニア採用の70%以上でGitHubがチェックされています。特に未経験者や経験の浅いエンジニアにとって、GitHubは実力を証明する最強のツールです。

 

GitHubが採用で重視される理由

採用担当者へのアンケート結果(2024年)

  • GitHubを必ずチェックする:72%
  • GitHubの内容で採用を決めたことがある:58%
  • 職務経歴書よりGitHubを重視:41%
  • コード品質で技術力を判断:89%
  • 継続性(草の生え具合)を評価:65%

GitHubで分かること

  • 実際のコーディング能力
  • 問題解決のアプローチ
  • 技術への興味・関心の幅
  • 学習の継続性
  • コミュニケーション能力(PR、Issue)

 

履歴書では伝わらない3つの価値

  1. 実装力の証明
    「できます」ではなく「作りました」を見せられる
  2. 思考プロセスの可視化
    コミット履歴から問題解決の過程が分かる
  3. 成長曲線の提示
    過去から現在への技術的成長が一目瞭然

 

GitHub評価による年収への影響

GitHub評価と初任給の相関

GitHub評価 平均初任給 内定率 選考通過率
優秀(上位10%) 520万円 68% 82%
良好(上位30%) 450万円 45% 61%
普通 380万円 28% 35%
なし/貧弱 350万円 15% 20%

 

優秀なGitHubポートフォリオは年収170万円の差を生む可能性があります。

 

採用担当が見ている7つのチェックポイント

チェックポイント1:プロフィールの充実度

必須項目

  • 本名またはニックネーム(一貫性があること)
  • プロフィール写真(顔写真推奨)
  • 簡潔な自己紹介(2-3行)
  • スキルセット(使用言語・フレームワーク)
  • 連絡先(メール or Twitter)
  • ポートフォリオサイトへのリンク

採用担当の視点:
「プロフィールが空欄の人は、コミュニケーション能力に疑問を感じる」

 

チェックポイント2:リポジトリの質と量

  • 理想的な数:5-15個(多すぎても散漫な印象)
  • ピン留め:最高傑作を6個ピン留め
  • 更新頻度:直近3ヶ月以内の更新があるか
  • スター数:1つでも10スター以上あると好印象
  • 言語の多様性:メイン言語+サブ言語

 

チェックポイント3:README.mdの品質

READMEで必須の項目

  1. プロジェクト概要:何を解決するものか
  2. デモ:動作するURL or GIF動画
  3. 技術スタック:使用技術の明記
  4. セットアップ方法:誰でも動かせる手順
  5. 使い方:基本的な操作方法
  6. 今後の改善予定:継続的な開発意欲

採用担当者の80%が「READMEの充実度で第一印象が決まる」と回答

 

チェックポイント4:コミット履歴

  1. 頻度:週3回以上のコミットが理想
  2. メッセージ:意味のあるコミットメッセージ
  3. 継続性:3ヶ月以上の継続(緑の芝生)
  4. 時間帯:深夜・早朝のコミットは熱意の証

 

チェックポイント5:コードの品質

評価される要素

  • 適切な変数名・関数名
  • コメントの適切な使用
  • DRY原則の遵守
  • エラーハンドリング
  • テストコードの有無

減点要素

  • インデントの不統一
  • 不要なコメントアウト
  • console.log の残存
  • セキュリティキーの露出

 

チェックポイント6:Issue/PRの活用

  • 自己Issue:タスク管理に使っているか
  • PR作成:適切な粒度でPRを作っているか
  • レビュー対応:フィードバックへの対応力
  • OSS貢献:他プロジェクトへの貢献

 

チェックポイント7:技術的な幅と深さ

幅の評価

  • フロントエンド+バックエンド
  • 複数言語の使用経験
  • 様々なジャンルのプロジェクト

深さの評価

  • 1つの言語での高度な実装
  • パフォーマンス最適化
  • アーキテクチャ設計

 

必須要素1:実用的なオリジナルプロジェクト

採用担当が評価するプロジェクトの特徴

高評価プロジェクトの共通点

  1. 課題解決型
    実際の問題を解決している
  2. 完成度
    最後まで作り込まれている
  3. 独自性
    チュートリアルのコピーではない
  4. 実用性
    実際に使える・使われている
  5. 技術的チャレンジ
    新しい技術や難しい実装に挑戦

1つの完成度の高いプロジェクト > 10個の未完成プロジェクト

 

レベル別:オリジナルプロジェクト例

初級レベル(〜6ヶ月)

  • 個人用タスク管理ツール(カレンダー連携)
  • 支出管理アプリ(グラフ表示機能付き)
  • ブックマークマネージャー(タグ管理・検索)

中級レベル(6ヶ月〜1年)

  • リアルタイムチャットアプリ(WebSocket使用)
  • 画像共有SNS(いいね・コメント機能)
  • ECサイト(決済機能模擬実装)

上級レベル(1年以上)

  • 開発者向けツール(VSCode拡張、CLIツール)
  • 機械学習Webサービス
  • ブロックチェーンアプリケーション

 

プロジェクトを魅力的に見せる5つのコツ

  1. スクリーンショット/GIF動画を必ず載せる
    視覚的インパクトで興味を引く
  2. 「なぜ作ったか」をストーリーで語る
    個人的な課題から始まると共感を得やすい
  3. 技術選定の理由を明記
    思考プロセスが評価される
  4. 苦労した点と解決方法を書く
    問題解決能力のアピール
  5. 実際のユーザー数や使用実績を載せる
    「友人10人が使っている」でもOK

 

必須要素2:読みやすいコードと設計力

採用担当が5分で見るコードの品質

最初にチェックされるファイル

  1. エントリーポイント(index.js、main.py等)
  2. 主要な機能のコード
  3. テストコード(あれば高評価)
  4. 設定ファイル(.eslintrc、package.json等)

5分で判断される項目

  • 命名規則の一貫性
  • 関数の責務が明確か
  • 適切なコメント量
  • エラー処理の有無
  • コードの重複がないか

 

良いコードの具体例

❌ 悪い例
```javascript
// データを取得
function getData(id) {
let data = fetch('/api/data/' + id)
return data
}
```✅ 良い例
```javascript
/**
* ユーザーデータを取得する
* @param {string} userId - ユーザーID
* @returns {Promise} ユーザーオブジェクト
* @throws {Error} ユーザーが見つからない場合
*/
async function fetchUserById(userId) {
try {
const response = await fetch(`/api/users/${userId}`)
if (!response.ok) {
throw new Error(`User not found: ${userId}`)
}
return await response.json()
} catch (error) {
console.error('Error fetching user:', error)
throw error
}
}
```

エラー処理、型情報、適切な命名が評価ポイント

 

設計力を示す要素

  • ディレクトリ構成:機能別に整理されている
  • モジュール分割:責務が明確に分離
  • 設計パターン:MVC、Repository等の活用
  • 依存関係:疎結合な設計
  • 拡張性:新機能追加が容易な構造

 

コード品質を上げる即効テクニック

今すぐできる改善

  1. リンター導入(ESLint、Pylint等)
  2. フォーマッター設定(Prettier、Black等)
  3. 型定義追加(TypeScript、型ヒント)
  4. 定数の切り出し(マジックナンバー排除)
  5. 早期リターン(ネストを減らす)

1週間でできる改善

  • ユニットテスト追加(カバレッジ60%目標)
  • CI/CD設定(GitHub Actions)
  • コードレビューを自分で実施

 

必須要素3:継続的な学習と改善の証明

コントリビューショングラフ(草)の重要性

理想的な草の状態

  • 直近3ヶ月:週4日以上の活動
  • 直近1年:200日以上の活動
  • 連続記録:30日以上あると好印象

草の色が薄くても評価される場合

  • 質の高いコミット(機能追加、バグ修正)
  • OSSへの貢献
  • ドキュメント改善

採用担当の65%が「継続的な活動は技術力より重要」と回答

 

成長の軌跡を見せる方法

  1. 同じプロジェクトの継続的改善
    v1.0 → v2.0 → v3.0と機能追加
  2. 技術スタックの拡張
    JavaScript → TypeScript → React → Next.js
  3. リファクタリング履歴
    「Refactor: 〜」のコミットで品質向上を示す
  4. 学習記録リポジトリ
    「Today I Learned」で日々の学びを記録
  5. 技術書の実装
    書籍のサンプルコードを自分なりに実装

 

活動の質を高める戦略

毎日コミットより質を重視

  • 無意味な空コミットは逆効果
  • READMEの誤字修正だけは避ける
  • 最低でも10行以上の変更を心がける

効果的な活動パターン

  • 月曜:新機能の実装開始
  • 水曜:バグ修正、リファクタリング
  • 金曜:ドキュメント更新、テスト追加
  • 週末:新技術の学習、実験的プロジェクト

 

絶対NGなGitHubポートフォリオ10選

NG例1:チュートリアルのコピペだらけ

問題点:

  • 「React-Tutorial」「Django-Tutorial」が並ぶ
  • READMEが元のチュートリアルのまま
  • 独自の工夫が一切ない

改善方法:

  • チュートリアルをベースに独自機能を追加
  • 「○○-Enhanced」として差別化
  • 学んだことを自分の言葉でREADMEに記載

 

NG例2:更新が1年以上前で止まっている

  • 問題:学習を止めている印象
  • 改善:古いプロジェクトでもREADME更新やリファクタリング

 

NG例3:READMEが空または1行

実際のNG例:
```
# my-app
This is my app.
```最低限必要な内容:

  • 何をするアプリか(3行以上)
  • 使用技術
  • セットアップ方法
  • スクリーンショット

 

その他のNG例一覧

  1. NG4:フォークしただけのリポジトリが大量
    →貢献していないフォークは削除
  2. NG5:セキュリティキーが露出
    →.envファイルをコミットしない
  3. NG6:巨大ファイルがコミットされている
    →node_modules、仮想環境は.gitignore
  4. NG7:コミットメッセージが「update」「fix」のみ
    →具体的な変更内容を記載
  5. NG8:ブランチが散らかっている
    →不要なブランチは削除
  6. NG9:ライセンスがない
    →MITライセンス等を追加
  7. NG10:テストが全て失敗している
    →CIバッジが真っ赤は印象最悪

 

GitHubプロフィールの最適化テクニック

プロフィールREADMEの活用

効果的なプロフィールREADMEの構成
```markdown
# Hi there 👋 I'm [Your Name]## About Me
- 🔭 現在取り組んでいること
- 🌱 学習中の技術
- 💬 得意分野
- 📫 連絡先

## Skills
![Python](badge) ![JavaScript](badge) ![React](badge)

## GitHub Stats
![Your GitHub stats](stats-card)
![Top Languages](language-card)

## Featured Projects
- [Project 1](link) - 簡単な説明
- [Project 2](link) - 簡単な説明

## Recent Blog Posts
- [記事タイトル](link)
```

視覚的に魅力的なプロフィールは印象2倍

 

効果的なピン留め戦略

  • 最高傑作を最上段に:一番自信のある作品
  • 多様性を見せる:異なるジャンルを配置
  • 更新日の新しいものを含める:活動的な印象
  • スター数の多いものを1つ:社会的証明
  • READMEが充実したものを選ぶ:詳細を見てもらえる

 

プロフィール最適化チェックリスト

必須項目
- [ ] プロフィール写真設定
- [ ] 本名またはニックネーム
- [ ] 簡潔な自己紹介文
- [ ] 所在地(都道府県レベル)
- [ ] メールアドレスまたはTwitter
- [ ] 個人サイト/ブログのURL
- [ ] プロフィールREADME作成
- [ ] 6個のリポジトリをピン留め推奨項目
- [ ] 所属組織(会社/学校)
- [ ] GitHub Statsの表示
- [ ] 使用言語の可視化
- [ ] コントリビューショングラフの公開
- [ ] Pro版の検討(プライベートリポジトリ)

 

レベル別:目指すべきGitHubの状態

初級レベル(〜6ヶ月)

目標とする状態

  • 公開リポジトリ:3-5個
  • コミット数:100-200
  • 最長連続記録:7日以上
  • 主要言語:1-2言語

必須プロジェクト

  • 個人ポートフォリオサイト
  • 簡単なWebアプリ(ToDoリスト等)
  • 学習記録リポジトリ

このレベルで応募可能な企業
SES、受託開発、スタートアップ(インターン)

 

中級レベル(6ヶ月〜1年)

目標とする状態

  • 公開リポジトリ:10-15個
  • コミット数:500-1000
  • 最長連続記録:30日以上
  • スター獲得:合計10以上

必須要素

  • フルスタックアプリケーション1つ以上
  • OSSへのコントリビュート経験
  • CI/CD設定されたプロジェクト
  • テストコード付きプロジェクト

狙える企業レベル
Web系企業、中堅IT企業、メガベンチャー

 

上級レベル(1年以上)

理想的な状態

  • 公開リポジトリ:20個以上(質重視)
  • コミット数:1000以上
  • コントリビューション:200日/年以上
  • スター獲得:50以上(1プロジェクト)

差別化要素

  • 自作ライブラリ/ツールの公開
  • 技術記事との連携
  • 複数人でのコラボレーション実績
  • スポンサー獲得

到達可能なポジション
GAFA、ユニコーン企業、テックリード候補

 

内定を勝ち取ったGitHub活用事例

事例1:未経験から大手IT企業へ(26歳・男性)

GGさんのGitHub戦略

  • 期間:独学8ヶ月
  • リポジトリ数:12個
  • スター獲得:最高42個
  • 転職先:大手IT企業(年収480万円)

成功要因:

  • 業務効率化ツールを5個作成し実用性をアピール
  • 全プロジェクトにデモサイトを用意
  • 技術ブログと連携(記事内でコード解説)
  • 毎日1時間のコーディングを6ヶ月継続

GitHubが履歴書以上に評価された」(GGさん)

 

事例2:SESからメガベンチャーへ(29歳・女性)

HHさんのGitHub改善

  • Before:リポジトリ3個、更新なし
  • After:リポジトリ15個、毎日更新
  • 期間:3ヶ月で改善
  • 結果:年収150万円アップ

改善ポイント:

  • 既存プロジェクトのREADME充実化
  • 英語でのドキュメント作成
  • OSSに10個のPRを送信
  • プロフィールREADMEで実績を可視化

3ヶ月の努力で人生が変わった」(HHさん)

 

事例3:フリーランス案件獲得(32歳・男性)

IIさんのGitHub営業術

  • 公開ツール:業務効率化Chrome拡張
  • スター数:523個
  • 結果:月単価80万円の案件獲得

GitHub経由の案件獲得方法:

  • 実用的なツールを無料公開
  • Issueへの迅速な対応で信頼構築
  • プロフィールに「お仕事募集中」を明記
  • 企業の技術者からスカウト

GitHubが最強の営業ツールになった」(IIさん)

 

まとめ:GitHubを最強の味方にする方法

GitHubは単なるコード管理ツールではありません。あなたの実力、成長、情熱を証明する最強のポートフォリオです。

 

GitHub成功の方程式高評価 = (オリジナルプロジェクト × コード品質) + 継続性 + プレゼンテーション

この方程式が示すように、質の高いオリジナルプロジェクトを、読みやすいコードで実装し、継続的に改善し、魅力的に見せることが成功の鍵です。

 

GitHubで差をつける7つの戦略

  1. 量より質
    10個の未完成より1個の完成品
  2. ストーリーを語る
    なぜ作ったか、何を学んだか
  3. 視覚的インパクト
    スクリーンショット、GIF、バッジ
  4. 継続は力
    毎日でなくても週3-4回の更新
  5. フィードバックを活かす
    Issue、PRを成長の機会に
  6. 技術の幅を見せる
    1言語を深く、2-3言語を広く
  7. 人とつながる
    OSSコミュニティへの参加

 

今日から始める5つのアクション

即実行(1時間以内)

  1. プロフィール写真と自己紹介を更新
  2. 最も自信のあるプロジェクトのREADME改善
  3. 6個のリポジトリをピン留め

今週中に実行

  • プロフィールREADMEを作成
  • 全リポジトリのREADMEを最低限整備
  • 不要なリポジトリを整理(アーカイブ or 削除)

1ヶ月以内に達成

  • オリジナルプロジェクトを1つ完成
  • 30日連続コミットにチャレンジ
  • OSSに1つ以上コントリビュート

 

最後に:GitHubはあなたの分身

採用担当者がGitHubを見る時間は、平均してわずか5-10分です。
その短い時間で、あなたの実力と可能性を伝える必要があります。

 

完璧なGitHubを作る必要はありません

 

大切なのは、
- 今できることを精一杯表現すること
- 成長し続ける姿勢を見せること
- 自分の作品に愛情を持つこと

 

チュートリアルのコピーでも、最初はそれでいいんです。
そこから少しずつ、自分の色を加えていけばいい。

 

READMEが下手でも、最初はそれでいいんです。
他の優れたREADMEを参考に、少しずつ改善していけばいい。

 

GitHubは、あなたの成長の記録です。今日のコミットが、
明日のあなたを作ります。

1年後、振り返った時、
確実に成長している自分がそこにいます。

さあ、git pushから始めましょう。

 

あなたのGitHubが、転職成功への扉を開く鍵となることを願っています。

コードは嘘をつきません。
あなたの努力は、必ず評価されます。

今日から、GitHubを最強の味方にして、理想のキャリアを掴み取りましょう。

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