35歳未経験からエンジニア転職は本当に可能?現実的なロードマップと成功事例を徹底解説

「35歳を過ぎてからプログラミングを始めても、もう遅いのでは...」

そんな不安を抱えていませんか?

結論から言うと、35歳からでもエンジニア転職は十分可能です。ただし、20代の転職とは戦略を変える必要があります。

私は転職支援の現場で、実際に35歳以上の未経験者がエンジニアとして内定を獲得する瞬間を何度も見てきました。成功する人には共通のパターンがあり、失敗する人には避けるべき落とし穴があります。

この記事では、35歳からエンジニアを目指すあなたに向けて、現実的な転職戦略と実際の成功事例を包み隠さずお伝えします。

目次

35歳未経験でエンジニア転職が難しいと言われる3つの理由

1. 企業側の本音:育成コストと期待値のギャップ

多くの企業は未経験エンジニアの採用において、正直なところ20代を優先します。その理由は単純で、35歳の場合、定年までの残り年数を考えると投資回収期間が短くなるからです。

また、35歳という年齢では、すでに何らかの専門性を持っていることが期待されます。完全未経験となると、「なぜ今まで違うキャリアを歩んできたのか」という疑問を持たれやすく、その説明に説得力が必要になります。

2. 学習速度と体力面での懸念

プログラミング学習は想像以上に時間がかかります。新しい概念を理解し、エラーと格闘し、深夜まで学習を続ける日々。20代と比べて記憶力や集中力の持続時間に不安を感じる方も多いでしょう。

家庭を持っている方なら、学習時間の確保自体が大きな課題になります。仕事後の疲れた状態で、さらに2〜3時間の学習を継続するのは、強い意志が必要です。

3. 年収ダウンのリスク

35歳であれば、現職でそれなりのポジションと年収を得ている方が多いはずです。未経験エンジニアとして転職する場合、初年度の年収は300〜400万円程度が相場。大幅な年収ダウンを受け入れる覚悟が必要になります。

それでも35歳からエンジニアになれる人の特徴

前職の経験を武器にできる人

実は、35歳からの転職で成功する人の多くは、前職の経験を上手くアピールしています。

営業経験者なら顧客視点での要件定義力、経理経験者なら業務システムへの理解、製造業経験者なら品質管理の知識。これらは若手エンジニアには真似できない、あなただけの強みになります。

明確な目的意識を持っている人

「なんとなくエンジニアになりたい」では通用しません。35歳からの転職で成功する人は、必ず明確な目的を持っています。

例えば、「前職の業界知識を活かして、その業界特化のシステム開発がしたい」「子供の将来を考えて、リモートワーク可能な職種に就きたい」など、具体的なビジョンがある人ほど、面接官の心を動かします。

謙虚さと素直さを持ち合わせている人

35歳という年齢だと、場合によっては年下の上司や先輩から指導を受けることになります。プライドを捨てて、素直に学ぶ姿勢を見せられる人は、企業からも歓迎されます。

35歳未経験からの現実的な6ヶ月ロードマップ

1〜2ヶ月目:基礎学習と適性の見極め

まずはProgateやドットインストールで、HTML/CSS、JavaScriptの基礎を学びます。この段階で大切なのは、毎日必ず1時間は学習時間を確保すること。

2週間続けられなければ、正直なところエンジニア転職は難しいでしょう。逆に言えば、この期間を乗り越えられれば、適性があると判断できます。

並行して、なぜエンジニアになりたいのか、前職の経験をどう活かせるかを言語化していきます。これは後の面接対策に直結する重要な作業です。

3〜4ヶ月目:ポートフォリオ作成

基礎学習が終わったら、オリジナルのWebアプリケーション作成に取り組みます。ここでのポイントは、前職の経験を活かしたアプリを作ること。

営業職だった方なら顧客管理システム、飲食業だった方ならシフト管理アプリなど、実務で感じていた課題を解決するアプリを作ると、面接でのアピール材料になります。

この時期から、転職エージェントへの登録も始めましょう。まだ応募はしませんが、求人の傾向や必要スキルを把握しておくことが大切です。

5〜6ヶ月目:転職活動本格化

ポートフォリオが完成したら、いよいよ転職活動を本格化させます。35歳未経験の場合、書類選考の通過率は10〜20%程度と考えておきましょう。50社応募して5〜10社の面接、そこから1〜2社の内定というイメージです。

応募先は、SES企業、受託開発企業、自社開発企業の順で難易度が上がります。最初はSES企業で経験を積み、2〜3年後に自社開発企業への転職を目指すのが現実的なルートです。

実際の成功事例:35歳以上でエンジニア転職を実現した3人

事例1:元営業マン(36歳)→ SaaS企業のカスタマーサクセスエンジニア

Aさんは法人営業を10年以上経験した後、36歳でエンジニア転職を決意。営業経験を活かし、顧客対応もできるエンジニアとしてSaaS企業に採用されました。

成功のポイントは、技術力だけでなく「顧客の要望を技術的に実現する橋渡し役」としての価値を訴求したこと。初年度年収は450万円と、完全未経験にしては好条件での転職となりました。

事例2:元経理職(35歳)→ 会計システム開発企業

Bさんは経理として働きながら、業務で使用していた会計システムの非効率さに疑問を感じ、自らシステムを作りたいと考えるように。

独学でPythonを学び、経理業務を自動化するツールを作成。そのポートフォリオが評価され、会計システムを開発する企業に採用されました。業界知識があることが大きな強みとなり、2年目には年収500万円を超えています。

事例3:元飲食店店長(38歳)→ 飲食系スタートアップ

Cさんは飲食店の店長として15年のキャリアを持っていましたが、コロナ禍で店舗が閉店。38歳という年齢でしたが、思い切ってエンジニアへの転職を決意しました。

飲食業界の課題を解決するアプリを複数作成し、業界への深い理解をアピール。飲食系のスタートアップに、エンジニア兼業界アドバイザーとして採用されました。

35歳からのエンジニア転職で避けるべき3つの失敗パターン

1. プログラミングスクールに通えば転職できると思い込む

高額なプログラミングスクールに通っただけで満足してしまう人が多くいます。スクールはあくまでも学習のサポート。卒業証書に価値はありません。

重要なのは、そこで学んだことを使って何を作ったか。オリジナルのポートフォリオなしに、転職活動を始めるのは無謀です。

2. 完璧主義になりすぎて行動が遅れる

「もっと勉強してから」「もっと良いポートフォリオを作ってから」と、準備期間を延ばし続ける人がいます。しかし、35歳という年齢を考えると、時間との勝負でもあります。

60点の準備でも、まずは動き出すこと。面接で落ちても、そこから学べることは多いはずです。

3. 年収や待遇にこだわりすぎる

前職と同等の年収を求めたり、大手企業にこだわったりすると、転職活動は確実に長期化します。

最初の1〜2年は修行期間と割り切り、まずはエンジニアとしての実務経験を積むことを優先しましょう。実力がつけば、年収は後からついてきます。

35歳未経験でも採用されやすい企業の特徴

SES企業の中でも教育体制が整っている企業

SES(システムエンジニアリングサービス)企業は、未経験者の採用に積極的です。特に、入社後の研修期間が2〜3ヶ月確保されている企業は狙い目。

ただし、SES企業の中には、研修もそこそこに現場に放り込む企業もあるので、面接時に研修内容をしっかり確認しましょう。

業界特化型のIT企業

不動産テック、医療IT、教育テックなど、特定業界に特化したIT企業は、その業界の経験者を優遇する傾向があります。

前職の業界と重なる企業があれば、積極的に応募しましょう。プログラミングスキルが多少劣っていても、業界知識でカバーできる可能性があります。

地方のIT企業やリモートワーク可能な企業

東京の企業は競争が激しいですが、地方都市のIT企業は人材不足に悩んでいるケースが多く、35歳未経験でもチャンスがあります。

また、フルリモートワークが可能な企業も増えており、居住地に関係なく応募できる求人も増えています。

面接で必ず聞かれる質問と回答例

「なぜ35歳からエンジニアを目指すのですか?」

NG回答:

「プログラミングが楽しくて」「手に職をつけたくて」

 

OK回答:
「前職で◯◯という課題に直面し、それをシステムで解決したいと考えたのがきっかけです。実際に◯◯というアプリを作ってみて、技術で課題を解決する面白さを実感しました。これまでの◯◯の経験を活かしながら、エンジニアとして価値を提供したいと考えています」

「年下の上司でも大丈夫ですか?」

NG回答:
「大丈夫です」(これだけでは説得力がない)

OK回答:
「技術の世界では年齢は関係ないと考えています。実際、独学期間中もオンラインコミュニティで20代の方から多くを学びました。謙虚に学ぶ姿勢を忘れず、チームに貢献していきたいです」

「給与が下がることは問題ないですか?」

NG回答:
「家族と相談して了承を得ています」(受け身な印象)

OK回答:
「最初の1〜2年は投資期間と考えています。エンジニアとしてのスキルを身につければ、将来的には前職以上の価値を生み出せると確信しています。そのために、業務時間外の学習も継続していく覚悟です」

転職活動を成功させるための具体的なアクションプラン

GitHubアカウントの準備と活用

採用担当者は必ずGitHubをチェックします。以下の点を意識して準備しましょう。

毎日のコミット(草を生やす)を最低3ヶ月は継続する。これは継続力の証明になります。READMEをしっかり書く。なぜこのアプリを作ったのか、工夫した点、使用技術などを明記。コードにコメントを適切に入れる。他者が読むことを意識したコードを書けることをアピール。

技術ブログの開設

週1回程度、学習した内容をブログにまとめましょう。これには3つのメリットがあります。

学習内容の定着、アウトプット力の証明、そして検索で採用担当者の目に留まる可能性。特に、エラー解決の過程を詳しく書いた記事は、問題解決能力のアピールになります。

転職エージェントの活用方法

35歳未経験の場合、転職エージェントの活用は必須です。ただし、エージェント選びには注意が必要。

IT専門のエージェントを2〜3社登録し、それぞれの提案を比較しましょう。「未経験OK」を謳っていても、実際には経験者しか紹介しないエージェントもいるので、初回面談で35歳未経験の転職実績を必ず確認してください。

転職後のキャリアパス:最初の3年間の過ごし方

1年目:とにかく食らいつく

最初の1年は、とにかく必死で食らいつく期間です。分からないことだらけで、毎日が勉強。休日も技術書を読み、コードを書く日々が続きます。

この時期に大切なのは、「分からないことを分からないままにしない」こと。質問することを恐れず、理解できるまで粘り強く学習を続けましょう。

2年目:得意分野を作る

2年目になったら、何か一つ得意分野を作ることを意識します。フロントエンド、バックエンド、インフラ、どの分野でも構いません。

「◯◯なら△△さん」と言われる存在を目指しましょう。前職の経験を活かせる分野があれば、そこを深掘りするのも良い戦略です。

3年目:市場価値を高める

3年の実務経験があれば、転職市場での価値は大きく変わります。この時点で、より良い条件の企業への転職を検討しても良いでしょう。

または、フリーランスとして独立する道も見えてきます。35歳から始めても、38歳でフリーランスエンジニアとして年収600万円以上を稼ぐことは、決して夢物語ではありません。

まとめ:35歳からでも遅くない、ただし戦略は必要

35歳未経験からのエンジニア転職は、確かに簡単ではありません。しかし、適切な戦略と強い意志があれば、必ず道は開けます。

重要なのは、20代と同じ土俵で戦わないこと。あなたにしかない経験と視点を武器に、エンジニアとしての新しいキャリアを切り開いてください。

年齢を言い訳にして諦めるのは簡単です。でも、35歳という年齢は、人生経験という大きな資産を持っているということでもあります。その資産を活かして、エンジニアとして新しい価値を生み出していく。そんな挑戦を、心から応援しています。

もし一人での転職活動に不安を感じているなら、専門のキャリアアドバイザーに相談することをおすすめします。35歳以上の未経験者の転職支援実績が豊富なエージェントなら、あなたの状況に合わせた具体的なアドバイスがもらえるはずです。

最初の一歩を踏み出す勇気さえあれば、1年後には全く違う景色が見えているはずです。その一歩を、今日踏み出してみませんか?

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