SIerからWeb系転職の「よくある失敗例」。技術スタックの違いを乗り越え、年収を維持する現実的なキャリアパス

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「このままSIerで保守・運用を続けるのは不安だ…」

「最新技術を駆使するWeb系企業で、自分の手でプロダクトを作りたい」

「でも、Web系は年収が下がるって聞くし、技術も違いすぎて通用しないのでは…」

あなたは今、安定したSIer(システムインテグレーター)でのキャリアを捨て、「モダンな技術」と「自社開発」に魅力を感じるWeb系企業への転職を考えているかもしれません。

しかし、このキャリアチェンジは、エンジニアの転職の中でも最も大きな技術とカルチャーの壁が存在する一つです。

Web系企業は、あなたの「SIerでの経験」を高く評価してくれる一方で、「Web系特有のスキル」や「自律性」が欠けていると判断すれば、年収ダウンや不採用という厳しい結果を突きつけます。

現実に、SIerからWeb系に転職したものの、「技術の差でついていけず短期離職」「年収が大幅にダウンした」という失敗例は後を絶ちません。

この記事では、SIer出身者が陥りがちな「失敗の落とし穴」を具体的に解説し、あなたの持つ「SIerでの強み」をWeb系企業で最大限に活かし、年収を維持・向上させるための具体的な戦略を提示します。

  • SIer出身者がWeb系で失敗する「3つの典型的パターン」
  • 「レガシー経験」を「Web系で活きる強み」に変換する戦略
  • 年収ダウンを避ける!「キャリアの土台」として狙うべきWeb系ポジション
  • Web系転職に必須の「ポートフォリオ」と「技術ブログ」の具体的な作り方
  • あなたのSIer経験を「正しく評価」してくれる転職エージェント

あなたの豊富な「問題解決能力」と「大規模開発経験」をWeb系企業で活かし、年収もキャリアも両立させる道筋を、ここから明確にしていきましょう。

SIerからWeb系への転職で陥りがちな「3つの失敗パターン」

SIerとWeb系企業は、同じ「IT」のくくりでも、ビジネスモデル、開発手法、技術スタック、そして働くカルチャーが全く異なります。この違いを認識せずに転職すると、入社後に必ずミスマッチを起こします。

失敗パターン1:技術スタックとスピード感のミスマッチ

これが最も多い失敗原因です。

  • Web系が求める技術: クラウド(AWS/GCP/Azure)、モダンな言語(Go/Python/TypeScript)、フレームワーク(React/Vue.js)、アジャイル開発、CI/CD。
  • SIerで得意な技術: オンプレミス、レガシーなJava/C#/VB.NET、ウォーターフォール開発、長期スパンでの保守・運用。

SIerでの経験は「豊富」でも、Web系で求める技術スキルが「浅い」場合、企業は「年収が高いのに即戦力ではない」と判断します。結果、年収を大幅に下げて若手と同じレベルの仕事からスタートするか、技術の差についていけず短期離職してしまうケースが多発します。

失敗パターン2:自律性・プロダクト志向のミスマッチ

Web系は「顧客の要望を叶える(受託)」ではなく、「自社のプロダクトを成長させる(自社開発)」ことが仕事の中心です。

SIerとWeb系のカルチャーの違い

  • SIer: 決められた仕様書通りに、正確にシステムを実装することが最優先。顧客の要求を超えることは求められない。
  • Web系: 仕様書がないことも多い。「なぜこの機能が必要か?」「どうすればユーザーが喜ぶか?」をエンジニア自身が考え、企画・提案し、能動的に動くことが求められる。

「指示待ち」の姿勢ではWeb系企業では評価されません。主体的に課題を発見し、技術的な判断を下し、チームに提案する「自律性」が不可欠です。このカルチャーの違いに慣れず、居心地の悪さを感じてしまうことがあります。

失敗パターン3:年収維持への「過信」と「妥協」

SIerでPL/PM経験があり、年収も高い(例:700万円以上)場合、Web系に転職する際に年収維持が難しくなります。

  • SIerの評価軸: プロジェクトの規模、要員数、顧客折衝力。
  • Web系の評価軸: プロダクトへの技術貢献度、アウトプットの質、モダン技術への習熟度。

あなたの「PL/PM」という肩書きはWeb系でも評価されますが、「Web系の技術知識のないPM」と見なされると、年収は期待を下回ります。また、「年収ダウンは嫌だ」と頑なに拒否し続けると、結果的に内定が一つも出ず、転職活動が長期化し、妥協したポジションで入社せざるを得なくなることもあります。

SIerの経験を「Web系で活きる強み」に変換する戦略

あなたのSIerでの経験は、決して無駄ではありません。むしろ、Web系エンジニアに欠けている「貴重な経験」を多く持っています。重要なのは、それをWeb系企業が理解できる言葉に「翻訳」することです。

戦略1:「システム全体」を見る視点をアピールする(SRE/インフラへ)

Web系企業では、若手を中心に「自分の担当範囲しか見ない」エンジニアが増えています。

あなたのSIerでの「大規模なシステムを長期にわたり安定稼働させた経験」「インフラ(サーバー、ネットワーク)への深い知識」は、Web系企業で喉から手が出るほど欲しいスキルです。

【翻訳例】

SIer経験:「オンプレミスでのサーバー構築と運用、障害発生時の対応経験」

Web系への価値:「クラウド環境(AWS/GCP)でのSRE(Site Reliability Engineering)やインフラエンジニアとして、大規模なトラフィックに耐えうる安定稼働の設計・構築・運用ができる」

SIerでのインフラ経験や運用経験が豊富な場合は、いきなりWeb開発者を目指すよりも、この「SRE/インフラエンジニア」をキャリアの土台として狙うのが、年収維持の現実的なルートです。

戦略2:「上流工程の経験」を「プロダクトマネジメント」に接続する

要件定義、顧客折衝、ベンダーコントロールといったSIerでの上流工程経験は、Web系では「プロダクトマネージャー(PdM)」や「開発ディレクター」として強力に活かせます。

【翻訳例】

SIer経験:「顧客の抽象的な要望から、具体的なシステム要件を定義し、納期を守った経験」

Web系への価値:「ユーザーの潜在的なニーズをヒアリングし、それを具体的な開発タスクに落とし込み、開発チームとビジネスサイドの橋渡しをするPdMとして、プロダクトの成功確率を高められる」

技術力を証明しつつ、このマネジメント側の価値をアピールできれば、高い年収を維持することが可能です。ただし、Web系のPdMは「市場のトレンド」や「ユーザーデータ分析」の知識も必要です。

戦略3:資格ではなく「アウトプット」で技術力を証明する

SIerでは資格(例:情報処理技術者試験、ベンダー資格)が評価されますが、Web系では「実際に動くプロダクト(ポートフォリオ)」「技術への知見(技術ブログ)」が評価の全てです。

「私は最新技術をキャッチアップしています」という言葉だけでは、高い年収は得られません。以下の「必須の自己学習」を今すぐ始めてください。

  • 個人開発: Web系で求められるモダンな言語(例:Go, Python, TypeScript)とクラウド(AWS/GCP)を使って、実際に動くWebサービスを一つ完成させる。
  • 技術ブログ: 開発の過程で直面した技術的な課題と、それをどう解決したかを技術的な内容で記事にする。これにより「自律的に学習し、課題を解決できる」ことを証明する。

特に30代以降は、「どれだけ本気でWeb系に来たいか」を、このアウトプットで示す必要があります。この手間を惜しむと、年収ダウンは避けられません。

年収を維持・向上させるための「現実的なキャリアパス」

現実的なキャリアパス

SIer出身者が年収を大きく下げずにWeb系企業に転職するためには、「いきなりトップ層の企業を狙う」のではなく、「ステップアップの土台」となる企業を選ぶことが戦略上非常に重要になります。

パス1:大手Webサービス企業の「SRE・インフラ」を狙う

前述の通り、SIer出身者の強みが最も活きるのがSRE(Site Reliability Engineering)やインフラのポジションです。

メリット:

  • 年収維持・向上しやすい: 専門性が高いため、開発職よりも年収テーブルが高いケースがある。
  • SIer経験が直結: 大規模システムの安定運用経験が、そのままクラウド環境での設計・運用経験として評価される。
  • その後のキャリア: SREとしてモダン技術に慣れた後、徐々に開発寄りのポジションへ移行しやすい。

技術スタックの差異を乗り越えるための、最も現実的でリスクの低い「入口」と言えます。

パス2:比較的歴史の長い「事業会社・大手メーカー系のWeb部門」を狙う

「最新鋭のスタートアップ」ではなく、「自社サービス開発にも力を入れ始めた、歴史のある大手企業」のWeb部門を狙うのも一つの手です。

メリット:

  • 安定した年収テーブル: 大手企業のため、SIer時代の年収テーブルに近い水準が期待できる。
  • SIer文化への理解: 開発プロセスやコンプライアンス面で、SIerの文化に理解がある採用担当者がいる可能性が高い。
  • スキルチェンジの余地: 開発環境が「モダン化の途中」であるケースが多く、あなたの既存の知識を活かしつつ、新しい技術を学ぶ余裕がある。

ガツガツしたスタートアップのカルチャーが合わないと考える方には、非常に相性の良い選択肢です。

パス3:モダンな開発手法を取り入れている「優良なSIer/SES」をステップにする

「どうしても自社開発にこだわりたい」という強い動機がない限り、「Web系のようなモダンな開発手法を導入し始めた優良SIer/SES」に一時的に転職し、Web系に通用する技術を磨くという「ワンクッション」戦略も有効です。

ここで1〜2年間、Web系で通用する技術(クラウド、アジャイル、モダン言語)を実務で身につけてから、改めて自社開発企業へ挑戦すれば、年収ダウンのリスクを大幅に減らすことができます。

SIer経験を「正しく評価」してくれる転職エージェント3選

あなたのSIerでの経験を、Web系企業に「翻訳」し、年収交渉を成功させるには、Web系とSIerの両方の市場を理解しているプロのサポートが不可欠です。指定されたリストの中から、このキャリアチェンジに強い3つのエージェントを厳選しました。

キッカケエージェント

Web系へのキャリアチェンジに特化
キッカケエージェント

IT・Web業界に特化しており、特にSIerやSESからの自社開発企業への転職支援に強みを持っています。「レガシー技術の経験しかない…」と不安に感じるエンジニアのキャリアチェンジを数多く成功させており、あなたの経験をWeb系企業に「通じる言葉」で翻訳し、推薦してくれます。

キッカケエージェントの最大の価値は、「Web系企業があなたのSIer経験のどこを評価するか」を具体的に教えてくれる点です。

あなたの「要件定義能力」を「PdMスキル」に、「オンプレミス運用」を「SREの知見」に変換し、職務経歴書と面接対策に落とし込んでくれます。

「失敗パターン2(自律性のミスマッチ)」を避けるためのWeb系カルチャーの解説や、「失敗パターン1(技術スタックのミスマッチ)」を克服するためのポートフォリオ作成のアドバイスなど、Web系への適応を最優先したサポートが期待できます。キャリアチェンジの成功率を高めたい方に最適です。

社内SE転職ナビ

SIer経験を最高値で活かす「安定」の選択肢
社内SE転職ナビ

Web系への転職にこだわりがない、または「年収維持・安定」を最優先したいSIer出身者にとって、最も有力な選択肢です。あなたの「大規模システム経験」「ベンダーコントロール経験」が、そのまま最高レベルの即戦力として評価される「社内SE」専門のエージェントです。

Web系企業への挑戦と同時に、「社内SE」を並行して検討することは、年収維持のための強力な保険になります。

大手企業の社内SE部門は、あなたのSIerでの「大規模・長期プロジェクトの経験」や「顧客折衝・要件定義」といった上流工程のスキルを、Web系企業よりも高く評価してくれることが少なくありません。

「パス2(歴史の長い事業会社のWeb部門)」や「社内SE」といった、SIer出身者と相性の良い求人を専門的に扱っているため、年収ダウンのリスクを最小限に抑えたいと考える方は、必ず登録すべきエージェントです。

ユニゾンキャリア

年収アップ実績と手厚い面接対策

ITエンジニアのキャリアアップに特化したエージェントであり、「年収UP率95%」という高い実績を誇ります。Web系へのキャリアチェンジで年収ダウンを避けたいエンジニアにとって、頼れる存在です。一人ひとりに時間をかけた「手厚いサポート」が特徴です。

ユニゾンキャリアは、特に「面接対策」において高い評価を得ています。

SIer出身者がWeb系企業の面接で失敗するのは、「Web系のカルチャーや技術スタックへの理解不足」を露呈してしまうからです。ユニゾンキャリアでは、あなたの職務経歴書をWeb系企業向けに最適化するだけでなく、Web系企業特有の質問への対策を徹底的に行い、面接官の不安(「技術的に古くないか?」「自律性はあるか?」)を解消するためのトークを一緒に構築してくれます。

入社後のミスマッチを防ぐためのヒアリングも丁寧なため、「年収維持と入社後の活躍」の両立を目指す上で、非常に頼りになるパートナーです。

まとめ:SIer経験は Web系キャリアの「最強の土台」である

SIerからWeb系への転職は、決して簡単な道ではありませんが、決して不可能でもありません。

Web系エンジニアが学ぶことができない「大規模開発の安定性」「システム全体を設計する視点」「納期・品質へのコミットメント」といったSIerでの経験は、Web系企業の成長フェーズにおいて、なくてはならない貴重な資産です。

重要なのは、あなたの「経験」をWeb系企業が理解できる「価値」に変換し、それを裏付ける「モダン技術のアウトプット(ポートフォリオ/ブログ)」を用意すること。

そして、あなたのキャリアチェンジを本気で成功させようと、戦略的なサポートをしてくれる「プロのパートナー(転職エージェント)」を見つけることです。

「技術の違い」という壁を乗り越え、あなたの市場価値に見合った年収と、新しいキャリアを手に入れるための「最初の一歩」を、今すぐ踏み出しましょう。

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